【片岡編集長】ナショナルチームのゲームより8🏀 「アルゼンチン代表のスクリーンプレー」
今回も、大会準優勝に輝いたアルゼンチン代表のプレーを取り上げます。
同チームも、スペイン代表チームの基本コンセプトと似たプレーを採択しています。
選手の長所、特徴、そして相手チームのディフェンスに応じて使い分けています。動画、図解と共に紹介していきます。
1、プレーの構造
2、プレーの流れ
今回も、インサイドの選手とアウトサイドの選手との組み合わせでスタートしました。
最初にピック&ロールを活用するのは2人のサイドでスタートします。
通常、反対サイドにピック&ロールをメインで仕掛けさせたい選手を配置させる事が多いです。
今回は、アルゼンチン代表チームのエースポイントガードであるカンパッソ選手が真ん中の位置におります。
ボールが反対サイドに展開されると、直ぐにカンパッソ選手はコーナーに配置する味方のディフェンスに対してダウンスクリーンをセットします。
この場面で、カンパッソ選手がボールをレシーブしにいくことも想定されるため、ディフェンスとしては様々な予測が必要となります。
今回、コーナーにいた選手はアルゼンチン代表で3Pシューターの役割を与えられている選手でした。
カンパッソ選手のスクリーンが有効だった事もあり、ハンドオフでボールをレシーブするタイミングでノーマークになる事が出来ました。迷わず、ノーマークで3Pシュートを放ちます。
3、まとめ
構造だけを取れば、非常にシンプルなプレーになります。
フランス代表としては、3番の選手にノーマークでボールを持たせたいプレーの意図であると分かっていれば、X3のディフェンスにおける視野やポジショニングも異なり、スクリーンを交わす事が出来たかもしれません。
しかし、シンプルなプレーの中に様々なオプションを持つため予測が立ちません。
カンパッソ選手のスクリーンも、X3が通過したいコースを見事に潰したスクリーンであるといえます。
この場面、ダウンスクリーンをするという手段に発想を奪われ、ゴール下の方向に近寄るだけでは、スクリーンをヒットさせる事は難しいはずです。
ディフェンスの位置、視野、角度を見て、ディフェンスが通りたいコースにスクリナーとして立っていたからこそ、本プレーが成立したと言えるでしょう。
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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