空間と時間を他チームよりも有効活用する~MHPリーゼン・ルートヴィヒスブルクのディフェンスより7~

スキルアップ ディフェンス戦術 動画 片岡 秀一

前回に引き続き、ドイツリーグ及びBASKETBALL CHAMPION LEAGUEにも参戦しているMHPリーゼン・ルートヴィヒスブルクの試合を題材にしたいと思います。

同チームは、日本バスケットにも縁のあるジョン・パトリック氏がヘッドコーチを務められており、非常に激しいディフェンスが特徴です。

同コーチは、チーム作りの大切なキーワードとして『Think Outside the Box』と紹介されています。非常に多岐に渡る言葉です。

一例としては、予算が潤沢ではない中でそれでも勝利を目指して、自分たちのスタイルで奮闘することに意義を感じる選手をリクルートすることの重要性を語っていました。

具体的には、身体能力やバスケットIQには優れているが、これまでプロバスケット界の中で優れた戦績を残せておらず、勝利やチャンピオンになることに対して貪欲な選手を好んでリクルートする、と話しています。

そして、予算規模で3倍、5倍以上のチームに勝利するために重要なのは、「SpacingとTime」(空間と時間)を他のチームよりも有効活用する事の重要性です。

方法論は勿論、チーム内の共通理解や結びつきを強化する事の重要で、その為のコーチとしてのリーダーシップやフォロワーシップにも確固たる考えをお持ちのようです。

この記事でも、「SpacingとTime」とを非常に有効に活用している様子が垣間見えます。少しでも参考になれば幸いです。

1.プレーの構図

2.プレーの流れ

トランジションオフェンスの流れから、先行して走っていた4が左サイドポストにポジション取りをします。
X4の選手が押し込まれないように体を張ると共に、周りの選手もポストディフェンス仕様にポジションを変更します。

インサイド周辺にいた5は、さらに深い位置にポジション移動します。一般的に2センターと区分されるポジションになりました。
X5は自分のマークを視野に入れつつ、4の動きを注視しています。
X2は、元々のマークである2に加えて5の動きも牽制できる位置に移動します。

4はミドルライン側にドリブルで進行します。同時に5は円を描くように移動をしました。
X5はゴール下のエリアを守ることで、5への簡単なパスは防げる位置にいます。
4のドリブルに対してはX2がカバーに出ます。
4から2にボールが出ると再び自分のマークに戻り、クローズアウトのシチュエーションでシュートを打たれないように守ります。

2がベースラインへのドライブを試みます。
X2が食らいつくと同時に、X4とX5がドライブに対するカバーの動きをします。
また、5にはX1がパスコースを潰そうとしています。
ボールマンから見ると、5へのパスコースはエンドラインの兼ね合いもあって非常に難しい状況となりました。

最終的に、1へジャンパスを試みました。
パスは通りましたが、パスコースが乱れます。
高くジャンプをし、何とかボールを失わずに済みました。

十分にディフェンス側を引き付けていない為、元々のマークに戻れました。その後、1対1の攻防のような形になりました。
リングへアタックするも破れずに横方向にパス。直ぐにクローズアウトも間に合いました。

結局ディフェンスの成功といえるでしょう。

3.まとめ

結果として得点となったシーンですが、目の前にディフェンスがいる状況での1対1となり、影響がある中での3Pシュートとなりました。

この場面でシュートを決め切ったスキルは見事といえますが、決して再現性が高いシュートではなく、オフェンス側としても会心のシュートとは言えなかったのではないかと思います。

ポストで勝負をさせていたら、そのままインサイドで得点を許していた可能性が非常に高かったはずです。

チームの共通理解と遂行力の下で、勝負の起点を変えて時間を浪費させ、オフェンスチームが意図しないシュートに持ち込ませることに成功しました。

「SpacingとTime」(時間と空間)とを有効に使うという考えが反映されたディフェンスシーンといえるでしょう。

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この記事を書いた人片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)

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