FIBA-OQT決勝「イタリア対セルビアより」イタリアのディフェンス10

スキルアップ ディフェンス 戦術 片岡 秀一

今回はイタリア代表チームのトランジションディフェンスです。

ハイライト等では、決して特集されない領域ですが、試合の行方を大きく左右する領域です。

日本代表の女子チームも、トランジションディフェンスでのチーム戦術の徹底があったからこそ、東京五輪の舞台で準優勝という素晴らしい戦績に繋がった部分も大きいのではないでしょうか。

上背のないチームが、ディフェンスリバウンドでの奮闘が重要なことは、バスケット界でも広く言われている事です。

もう一つ、上背のないチームが、自分たちよりもサイズや能力に長けたチームからの勝ち星を獲得しようとする際に重要なのがトランジションディフェンスになるはずです。

1、プレーの構造

トランジションDF2-1

2、流れ

イタリア代表のオフェンス。セルビア代表のSwitchに対し、1対1で対抗します。しかし、シュートには至らず、セルビア代表チームにリバウンドを奪われます。

反対サイドのコーナーにいた選手がダッシュをし、セルビア代表のボールマンをマークします。

早めに捕まえることに成功し、ハーフコートバスケットに持ち込むことに成功しました。

3、まとめ

トランジションディフェンスはバスケットボールで非常に難しい領域です。
どんなにレベルの高い試合でも、ディフェンスリバウンドからの失点をゼロにするのは至難の業でしょう。
刻一刻とコートの状況が変わる中、様々な危険因子が目に入り、対応が迫られます。
その為、これまでバスケット界でも様々なキーワードが登場してきました。

トランジションディフェンスのキーワードの一つであるStop the Ballも、その一つでしょう。
しかし、仮にボールマンをストップしたい場合も、他のウィング選手のレイアップに繋がるプレーを守る必要がある場合、判断に迷うことも事実です。
ボールマンを止めようとして、先行して走る選手を放置し、ゴール下にパスを出されては元も子もありません。

イタリア代表チームを見ていると、「何処までに」という部分を明確にしている事が感じられます。
様々な講習会等でのコーチからの提言として、個人として非常にしっくり来ているのは、「3Pエリアの1歩手前には、ボールマンをマークする人をハッキリとさせる」というコンセプトです。
理由としては、3Pエリアでノーマークにしていると、ノーマークの3Pシュートを決められてしまうリスクがあります。
仮に、遅れてチェックに出ると、その隙をついてパスを出されます。

この場面、#54アレッサンドロ・パジョラはボールを運ぶテオドシッチを捕まえるべく、猛然とダッシュをしています。
スイッチ等で、オフェンス時にマッチアップされていたマークとは異なっていました。
それでも、猛然とダッシュをし、自分がマークをするという意思表示をすることで、周りの選手が別の危機を潰すことに集中できました。
もし、それ以上の侵入を許せばセルビア代表チームにオフェンスのチャンスが発生していたはずです。
トランジションディフェンスは、『最初の5-6秒』が勝負の肝です。

チーム全体で優先順位を明確にする事、キーワードを深掘りしトランジションディフェンスの中で、危機を潰していくための共通の絵を描けるように工夫することが求められると感じています。

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この記事を書いた人:片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)