【梅原トレーナーのからだづくり哲学】トレーニングレポート No.105「学校で有意義な疑似合宿を行いました」

スキルアップ トレーニング フィジカル(身体) 梅原 淳

こんにちは、梅原淳です。

いつも夏休みには山でトレーニング合宿を行い、みんな一皮むけた高校生アスリートに成長していたのですが、このコロナ渦で丸二年もの間、部活動が断続的に止められ、また宿泊が禁止されているため、昨年と今年は山合宿ができなくなりました。

いまの高校二年生と一年生の新チームは、この貴重にして成果の大きなトレーニング合宿三日間を一度も経験していないことになります。

「嗚呼、これは絶対に弱くなる」

そう直感した私はどうにか類似したかたちであっても作ろうと、監督さんに相談しました。

通いの疑似合宿を計画

できる条件は学校であること、泊まらないことです。そこで午前午後の二部練習スタイルを使って二日間、全部で四回のトレーニングのセッションを計画しました。

疑似合宿を通じて経験したいことは、シンプルに言えば「本気で頑張ること」です。

普段は頑張っていると言っても、人間それほど本当の力など出しません。全力を出さずにちょっとやそっと負荷が上がると「辛い」「苦しい」と言ってしまい、力が入らなくなります。

本当は、本気になればもっと強く長くパワフルにプレイできるのに、脳がここまでと決めてしまうために、体の反応もそれに調子を合わせてしまうのです。

これが常態化すると、頑張らない選手と腑抜けたチームが出来上がってしまいます。固定されれば、そこから上げていくことはどんなに力のあるコーチであっても、なかなか困難だと思います。

そうなる前に、いやその反対の力と心がみなぎった選手たちを育てるために、毎年あえて夏に山合宿をおこなってきました。山という普段とまったくかけ離れた環境が、選手のスイッチをオンにするのを手伝ってくれました。

学校で行うことは普段をイメージさせますから、いつものように頑張らせようとしても選手らは上手に抜き、誤魔化し、やり過ごす方法を知り得ています。

それもあらかじめ予測していたので、時間が少し長く掛かりましたが、一日目の終盤あたりでは顔つきが変わっていきました。

選手のポテンシャルを見た

二日目は普段どおり自宅からの登校で、また元通りかとも覚悟はしていましたが、底力のあるチームだと確信しました。

初日はリタイア組が何人もいましたが、二日目は途中に少し外れた選手は一人二人いたものの、後にすぐ復帰し、最後は全員で締めくくることが出来ました。

なぜか疲労の溜まった二日目のほうが、よく声が出て、よく足が動いて、体力が長く続きました。顔もみんな、自ら「頑張るぞ」の表情になっていました。

これが疲れても体の動く原動力です。本当の限界はまだ先にあるということです。それを選手本人らが、「自分のポテンシャルはまだはるかに大きい」とばっちり実感しただろうと思います。

幸い体育館も二度、バスケットボールコート二面が空き(つまり体育館貸し切り)、グラウンドも陸上トラックが二日とも空いていました。

山で行うような絶妙な坂やデコボコや草むらはありませんが、それでも心の閾値を上げることは達成できました。

この先、もしかしたら山合宿はできなくなるかもしれませんので、良いテストケースにもなりました。

できたら冬にもう一度したいですね。失われた二年分を取り戻す絶好の機会になります。

では特別な内容はありませんが、通い合宿の風景をアップしておきます。

あなたも全力全開で爆発できる夏休みをお過ごし下さい。

(了)

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この記事を書いた人梅原淳梅原 淳
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。
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