【片岡編集長】FIBA-OQT決勝 「リトアニアvsスロベニアより3」

オフェンス スキルアップ 動画 戦術 片岡 秀一

※本稿の原稿執筆は7月下旬となります。あらかじめご了承ください。

東京五輪も佳境となっている時期です。

詳しく言及できないのが残念ですが、東京五輪での戦いを振り返る際に少しでも読者の方に、発見や新しい視点を提供できる記事を目指したいと思います。

前回までに引き続き、FIBA-OQTリトアニア会場での決勝戦であるリトアニアvsスロベニアより、ドンチッチ選手のプレーを中心に扱います。

特に、「スペインピック&ロール」の攻防について連続的に紹介しています。

1、プレーの構図と流れ①

ロベニア代表チームは、X3の選手がドンチッチ選手を守るという役割分担にて、本プレーを止めようと試みます。

ここでX5としない意図は、スピード及びサイズのミスマッチを生み出さないことがあるでしょう。

仮に、X5がドンチッチ選手のドライブを止めたとしても、5番の選手にX1がマークをする必要性があります。

2mを超える選手に対し180-190㎝の選手がマークをするのは至難の業です。

また、インサイドの不利を止めようと周りの選手がケアをすれば、3Pシュートのチャンスを作り出してしまいます。

こで、X3の選手がドリブラーであるドンチッチ選手を守ります。

X5の選手は、スクリーンを交わしながらもともとのマークマンをケアします。

そして、スクリーンを狙ったのちにアウトサイドに出ていく3はX1がマークをするという算段です。

こで、スロベニア代表はいち早く3の選手が反対サイドの45度付近へと駆け抜けていきます。

X3がスイッチをすることを見抜いているため、一足先にノーマークになろうとする意図です。

ドンチッチ選手も味方の状況を把握しています。ドリブルを止めてバックターンをし、教科書通りのパスを通しました。

2、プレーの構図と流れ②

リトアニア代表チームは、①と同じ構図で守ろうとします。

しかしこの時は、X1の選手もドンチッチ選手を捉えられそうな様子が見て取れました。

結果、X1もX3の選手もドンチッチ選手をマークする形になります。

そのような特殊な状況をドンチッチ選手が見逃しません。

トップ付近がノーマークになることを当然のように把握し、トップへとパスを通しました。

3、まとめ

前々回と同じになりますが、フォーメーションの有効性と共に、ディフェンスの対応局面に応じた的確な判断と遂行能力が何よりも大切であると分かる場面ではないでしょうか。

「スペインピック&ロール」そのものは、非常に有名なオフェンスであり、リトアニア代表チームも当然のように対応策も把握しています。

しかし、実力が拮抗したチームの場合、万能な守り方はありません。どの戦術にも、メリット、デメリットがあります。

ドンチッチ選手は、それらを的確に把握していると共に、少しのミスも見逃しません。

的確な判断を続けることで、チームメイトのチャンスを次から次へと作り出していきます。

「スペインピック&ロール」以外では、ドンチッチ選手の出場時間は「スプレッドピック&ロール」が多用されます。同じく有名であり、いわば定番中の定番です。

しかし、リトアニア代表チームの守備網を次から次へとかいくぐっていく様子は圧巻です。

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この記事を書いた人片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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