【片岡編集長】番外編 U19男子日本代表チームのオフェンス2

オフェンス スキルアップ 戦術 片岡 秀一

U19男子代表チームが同ワールドカップに挑戦中です。

予選リーグでは、セネガルに惜敗、カナダに実力差を見せつけられた後、リトアニア戦では惨敗。

『ROUND OF 16』と呼ばれる決勝トーナメント進出決定戦で強豪のセルビアに大熱戦を演じます。

7/9(金)の深夜にはトルコ代表との対戦を控えています。(原稿執筆7/8)

前回の記事との重複になりますが、同チームの特徴は長身選手を積極的に招集し意識的に早期のコンバートを推進している事です。

トーステン・ロイブル氏から佐古ヘッドコーチに代わる新体制のタイミングでは、バスケットボール協会の指針として『A代表を意識したポジショニングとセレクション』というコンセプトが明確に打ち出されていました。

そのような背景がある中、U19男子代表チームは非常に面白い攻防を見せています。

ディフェンスでは、フルコートのマンツーマン及びゾーンプレスからのゾーンを併用。

本稿では、前回に続き番外編としてU19代表チームのオフェンスを取り上げたいと思います。

1、プレーの構図

2、プレーの流れ

イポストに2名のインサイド選手が並ぶように配置します。

両選手が入れ替わり、同時にトップでボールを持つ選手に図の位置でピック&ロールのような形で、スクリーンをセットします。

こでのスクリーンの狙いは、ゴール方向への侵入ではありません。

元々のボールマンは、コーナーからトップ方向に上がってくる選手とドリブルハンドオフを行います。

また同時に、4に対し5番がフレアスクリーンをセットします。

スクリーンが連続して発生する中、4の選手は反対サイドに駆け抜けていきます。

元々のコーナーの選手は反対サイドに流れています。

つまり、4の選手に対し非常に広いスペースが用意されています。

ここで、ディフェンスの状況、及び各選手の特性に応じ、様々なオプションが存在します。

3Pシュートを狙う事もあれば、ベースラインヘのドライブも狙います。

  • 長身と素早いシュートリリースを武器とする#17山﨑一渉(仙台大学附属明成高校)
  • サウスポーからのアウトサイドシュートを得意とする元田大陽(東海大学)

の場合には3Pシュートを。

  • 力強く鋭いドライブを武器とする#5米山 ジャバ 偉生 (PF / 191cm/)選手

の場合は、積極的にインサイドへのドライブを仕掛けます。

ゲームの中でも、ドライブから何回もブロッキングを獲得するシーンがありました。

3、総括

プレーは、キーマンとなる選手に対し、連続したスクリーンが用意されている事が特徴です。

相手チームも対応をしてくる為、完全なノーマークが出来上がるプレーではありません。

しかし、ゴールへアタックするまたは、シュートを打つ「隙」を見事に作り出しているプレーです。

セルビア、リトアニア等は、日本のオフボールスクリーンに対してスイッチで対応するシーンが数多くありました。

それでも、数多くの「隙」を創り出すプレーとして機能していた印象です。

また、各選手は力強く勇気をもってゴールへアタックをし、相手チームとの駆け引きも見せていました。

世界の高さや、ブロックのタイミングの経験を積む意味でも、日本のバスケットに様々な恩恵をもたらしてくれています。

回のプレーは非常に複雑です。

また、選手に対し有利な状況を創り出すプレーでもあります。

個の力や自ら状況を打開する能力を育むことが求められる育成世代(U12、U15など)では、適切では無いプレーかもしれません。

勿論、オフボールスクリーンのタイミングや、パスの感性などを磨く事は出来ます。

しかし、筆者が尊敬をしている及び多くの選手に素晴らしい競技環境を構築されている某コーチの方は、本稿のような戦術を精力的に学ばれています。

その方は、下記のように語られています。

『U12世代では使わないとしても、上のカテゴリーで使用されているオフェンスや戦術を学ぶことは、育成世代を預かる指導者として大切な事と捉えています』。

U12世代で習得すべき技術の見極めや優先順位を明確にし、その上で、日頃の練習ドリルや、ハンドリング練習等に活用されているとおっしゃっていました。

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この記事を書いた人片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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