【片岡編集長】番外編 ギリシャ代表の『ドラッグスクリーンでのリジェクト(Fake Reject)の活用』

オフェンス スキルアップ 動画 戦術 片岡 秀一

前回の記事では、アーリーオフェンスの中での、ニュージーランド代表チームの戦術の遂行能力や臨機応変な判断力の高さを紹介しました。

今回は同様のコンセプトとしつつ、番外編として再びギリシャ代表チームのアーリーオフェンスでのプレーを取り上げます。

映像だけを見るとンプルなプレーですが、非常に深い攻防が繰り広げられています

1、プレーの構造

2、プレーの流れ

ィフェンスリバウンドを獲得後、#10Kostas Sloukasがボールを受けとります。この時間帯でポイントガードとしてプレーをしていました。

EuroLeagueで活躍をしている欧州のトップ選手の1人です。左利きであり、アウトサイドのシュート力と、アシストパスを得意とする名選手です。

#10Kostas Sloukasに対し、先行して走っていた#43 Thanasis Antetokounmpoがサイドの位置でピック&ロールをセットします。

同じく先行して走り、ボールサイドのコーナーにいた選手が一度、反対サイドに抜けようとします。この時、残りの2選手は反対サイドの3Pラインの外側にいます。

こで、#10Kostas Sloukasは、一度、スクリナーがいない反対サイドを狙いました。

ディフェンスも反応しますが、そこでボールを止めずに#43Thanasis Antetokounmpoが再びスクリーンをセットします。

素早くドリブルの向きを変えミドルラインに進みました。

ディフェンスにとっては一度ドライブを守ろうとし、体勢もわずかに乱れていました。2回目のスクリーンには当たってしまいました。

の後、一度はSwitchの様子になるも、元々のマークが戻りました。

しかし、十分なスペースと余裕をもってディフェンスを見る時間がありました。

ジャンプショットを得意とする#10 Kostas Sloukasシュートを放ち、成功させました。

3、まとめ

回、最終的にはドリブルからの2Pのジャンプショットとなりました。

#10Kostas Sloukas選手が得意とするプレーであることを差し引いたとしても、ゴール下でのノーマークのシュートや、ワイドオープンの3Pシュートで無かった為、成功とは言えないという指摘もあると思います。

しかし、ピック&ロールでディフェンスを当てることに成功した場面では、インサイドでのミスマッチや、ロールをした際のパスも十分に狙える状況で、ハイライトシーンに登場するようなダンクシュートやアリウープとも紙一重のプレーでした。

また、決してタフショットではなく、十分に判断をして自分自身の得意とするシュートを放っている事も強調したいです。

れらを可能にしたのは、「ピック&ロールで反対サイドを狙ったプレーからの一連の流れ」で、ドリブラーとスクリナーが共通理解を持ち、円滑にプレーを進行したことが挙げられます。

今回のように、Pick&Rollで反対側を狙う事をRejectと呼びます。

また、リジェクトを餌にディフェンスを引き連れ、2回目の攻防でスクリナーにディフェンス選手を当てることを「Fake Reject」等と呼ぶコーチもいらっしゃいます。

リジェクトを狙った際、ドリブラーとしてはディフェンスにボールを奪われずに切り替える技を持つ事で、ディフェンスを翻弄する事ができます。

また、スクリナーの選手とも事前のコミュニケーションや共通理解を持つ事で、今回のような有効なオフェンスを展開する事が出来ます。

パッとみると、目に見えるハイライトではないかもしれません。しかし、非常に深い攻防が見え隠れします。

(Kostas Sloukas選手ハイライトシーン)

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この記事を書いた人片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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