【梅原トレーナーのからだづくり哲学】運動能力は脳がつくる(3)

スキルアップ トレーニング メンタル(心) ライター 梅原 淳

脳を鍛えるシリーズの三回目となります。

いつもは肉体を鍛える話をしていますが、まったく新しい視点でからだづくりを紐解いています。

運動技術のカギはからだのコントロールにあります。自分の手、自分の足を思った通りに操れることであり、その能力が高いほど当然スポーツでの成績も上位になりますから、私たちは主にからだを巧みに操る鍛練を積んでいきます。

それは正しいのですが、さらに運動能力を決めるプロセスを奥へ辿っていくと、源流に「脳」があることに気がつきます。からだの使い方をコントロールしているのは、あなたの脳です。

すなわち運動は脳次第ということになります。

脳が「こう走る」と体へ指示を出した

私は大学の途中からスポーツトレーナーになる勉強をしました。練習にも入らなくなり当然体力も随分と落ちますが、そんな中であるとき長距離を走ってチームの2番目にゴールしてしまいます。

いまでも本当に不思議なのですが、まだまだ走れるといった感覚でした。変な話、とても自分のからだには思えませんでした。

では誰のからだだったのでしょうか。

そう、私の脳がその正体です。

当時はまったく気づきませんでしたが、いまはそれを明確に理解できます。

からだのすべては脳が支配しています。脳はただ情報を処理するだけじゃなくて、自分で決める力を持っています。脳が10と決めれば10の能力が発揮され、5と決めれば5が発揮されます。

あのとき私は、どうしてか余計なことは一切頭に浮かばず、ただゴールに向かって走るということだけに意識が集中していました。無理にそう考えようとしたわけでもありません。

理由は思い出せませんが、とにかくグングンとスピードが伸びて走っているランナーのイメージを作っていました。

つまりあのとき私の脳は「走れる」というプログラムを、勝手に作り出したのです。あくまで偶然ですがそういう感覚になったので、からだが脳から指令を受けてその通りに走れたのだと考えています。

普段の力以上が出せる

脳はときに本来のスペック以上のパフォーマンスをも引き出します。

現在の能力が10だとして、それを正しく認識し処理することが脳の役割なのではありません。脳はどのくらいのパフォーマンスを発揮するのかを、自由かつ完全にコントロールしているのです。

普段は意識的に10の力を出せるとすれば、私たちはそれが自分にできる全力だと認識していますよね。でも本当はまだ眠っている余力があるとか、もし余力が無くても脳が15,16の能力をインプットすると、実際にできてしまうということです。

だから「火事場の馬鹿力」ということがありますよね。身に危険が迫ると、思いも寄らない能力を突如発揮することが人間にはあります。肉体が絶えきれないほどの能力をも発揮することがあるのは、まさに脳がすべてを決めているからです。

モチベーションビデオの本当の利点

ということは、頭の中をつねにレベルの高いイメージで埋めておくことで、人間はより高いパフォーマンスでプレイできるかもしれません。

競技力の高い人と一緒に練習すると、必然的に自分の能力も引っ張られるように伸びていくことがしばしばあります。下手な集団に混じれば、長くいるほど自分の技量も同じように下手になっていきます。

それは脳にその情報が入っていくからです。脳はありのままに吸収するということです。

よくモチベーションアップのために、ゲーム前なんかに良いプレイばかりを集めた映像を観る人がいます。長嶋茂雄さんが巨人の監督時代に、よくそれを行っていたそうです。

これは気分が良くなるばかりじゃなく、自信がつくことでもなく、一番は脳にそのファインプレイを情報として記憶させることに意義があります。

滅多にできないファインプレイをたくさん集めて繰り返し観ていると、それが脳の中で「いつも有るもの」になっていきます。繰り返し観る=いつもそれが有る、ということです。

こうしてある意味で言えば脳を騙して、その情報を元にからだを操作させるわけです。できればモチベーションビデオは、普段から繰り返し観るほうが効果的です。

裏を返せば

しかし、ひとたび脳が8のパフォーマンスでからだを操作すれば、本当は10ある能力も8以下のプレイに落ちてしまうことでもあります。

間違ってもそっちのほうへは向きたくないし、できるものなら誰だっていまの能力以上のパフォーマンスを発揮したいはずです。

それをどうやって引き出すか。次号いよいよ最終話です。

(了)

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この記事を書いた人:梅原淳梅原 淳
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