【梅原トレーナーのからだづくり哲学】 緊急提言!ぼくらの部活はコロナ渦を耐えられるのか(下)

スキルアップ 指導法 指導者 梅原 淳 育成法

このままでは僕らの部活動がどんどん萎縮していく、そんな未来を懸念しているのは筆者だけだろうか。

昔から二度あることは三度あると、よく言われる。それは偶々、連続して被害を被るということではない。この「被害」だと思っている感覚が、二度三度を引き起こしているのだ。

つまり繰り返し起こるのは自然に重なったという話ではなくて、そんな他人事のように捉えている人間の不用心によって、愚かに繰り返されていくのである。

たったいま直面しているコロナ危機を、私たちの手で止めなくてはいけない。

▽油断禁物の意識が無くなっていく

昨年2020年6月、休校措置が解かれ生徒さんたちは授業が始まった。

休んでいる間は長く延々と続くように感じていたものも、いま振り変えれば過去のこととなり、「3ヶ月か」と不思議と短くすら思う人もいるかもしれない。

遅くとも7月からは全国のほとんどで部活動が再開され、合わせて大会も開催された。県外同士の交流などは慎重な姿勢が続くところが多かったが、それでも行き来は多少なりとも戻っていった。

そうして徐々に記憶が薄れ、恐怖も薄れ、感染対策も疎かになっていく。遠征なども、平常時と変わらぬ頻度に戻っている競技、チームもあったようだ。

これは部活動だけが動きを強めていったのではない。社会全体の経済活動が同時期から回復し始めた。

これ以上、国民の生活を締め付けてはいけないということで、コロナが収束していないうちからやむを得ず民間サービスの休業要請が解除され、私たちの生活は元に戻っていったわけである。

そうすると、またコロナが増えることは想定内のことで、政府も予測し対応するつもりでの判断だったはずだ。

ただGOTOキャンペーンが始まり、それに伴って人の行き来が一気に盛んになったところから、情況が一変していった。

GOTO自体が悪いと言うよりも、世の中でそういった動きが加速したという感覚が私たち国民に浸透したことで、みんなの警戒心と用心が薄れていったのだと、自分なりに考えた。

▽話が逆さま

どんなことでもリスクが伴う。そのリスクを取ることが良いチャレンジに繋がるのかどうか、行う者の判断がカギとなる。

必ずしもリスクをゼロにして「なにもしない」ことが、正しいとは言えない。もっと言えば正解・不正解ということではなくて、どのような結果を生むか、自分の期待する結果にどれだけ近づけたか、それによって行動の評価が決まる。

だからリスクを取ってでも行動に起こすべき場合はあるし、そう判断することが望ましい場合もあるだろう。

ただし絶対に外してはいけないことがあって、リスクが現実のものとならないように、行動する場合は最大限の予防線をあらかじめ引く必要があるということだ。

追い込まれそうになる情況も見越して、それでもその困難を乗り越えられる防衛策をつくっておくことが絶対条件となる。

その準備ができない場合は、自分がどれほどしたくてもウズウズしても、フラストレーションが溜まっていても、潔く諦めて取り止めるのが筋だ。

それがどうしてか、準備のない者ほどリスクを冒す。リスクを取る者ほど、その割に対策を怠る。これでは話が逆さまだ。

▽感染対策は各々が行ってこそ部活動を維持できる

今回の都立高校剣道部で起きた何十人というクラスター、またそれと同じケースであるスポーツ団体による一連のコロナ蔓延は、ただ「遠征に行った」「許可無く行った」のところを非難しても事態は改善しない。

私がこの臨時号を書いて皆さんとなにを考えたいか、なにを伝えたいか分かりますか?

一定期の自粛や禁止をしたところで、完全な終息(疫病が完全に絶えて無くなること)を迎えなければ、また感染者の増加は勢いを盛り返してしまう。

しかし、一つの場所にジッとしていることには限界がある。みな働いて、生活を成り立たせていかなくてはいけないのだから。

経済活動は現代の生きる中心であり、それを封じることはかなりの強行だということだ。それをしたのにも関わらず、喉もとを過ぎ半年ほど経つとまた同様の情況に戻る。

これはコロナのせいですか?政府のせいでしょうか?

違います、これは国民一人一人の自制と判断能力の問題です。

対策をしっかり取る、充分に用心するという行動力も、加えて必要と言えるだろう。

ジッとしたって無策な人は、出歩けばリスクがどこまでも広がる。動いていても、万全な対策を取っているならそのリスクは最小限に抑えられる。どちらが危ないだろうか。

▽結論

このレポートを配信して、あなたに伝えたかった私なりの結論を言おう。

なにもしないことが対策なのではない。それが自粛の本質では、断固ありません。

出歩いてよし部活動してよしと誰かに言われたら、もうなんの危機管理もせず無防備に生活を送ってよいのか?

それをやめよう。それこそが、あなたの大切な部活動を自ら制限する結果を招いている。

ただストップすれば良いのではない。動いてよしとなっても、最善の用心を怠らず、節度と自制を以て安全に活動を行えば、このような中止や禁止が繰り返される事態は充分に回避できる。

たらればであるから断言することはできないが、少なからずそれが私たち自身にできる唯一の対策であることは間違いない。

リスクを取りながら活動するならば、それを事前に抑え込む手立てを講ずることが常にセットである。

だからこれを読んでくれている皆さん、いまから行動を改めましょう。

禁止・自粛を受け入れることで気を済ませるのはやめて、活動を継続しながら感染を増やさない方法を取ってください。

▽仲間内やSNSで呼びかけよう

ここからまたひと月、昨年3〜6月と同じ生活を求められる。部活動も禁止となる学校も多くなると思う。とくに感染者の増えている県では、そうなる可能性がある。

いまのうちから二度と同じミスを繰り返さないように、誰もがいつなんどき感染するかもしれないが、それでも社会がストップすることだけはどうにかして阻止しなくてはいけない。

そのために、自分たちが当事者であると自覚し、良識ある判断で堅実なスポーツ活動をおこなっていくことがすべての関係者に求められる。

もし同じお考えであるならば、どうぞお知り合いにも声を届けてください。意識と行動を広げていく必要があります。大人でも身勝手な人はいますが、良識的な人は必ずいます。

ここから正念場です。

(了)