【梅原トレーナーのからだづくり哲学】食べるトレーニングを考えよう!「栄養素を単体で見てはいけない(下)」

スキルアップ トレーニング 指導法 指導者 梅原淳 育成法

以前レポートした栄養の話について、もう一歩掘り下げて具体的な例でみてきたいと思います。

前回の(上)では、現代における健康また栄養摂取のズレた情報というものを、ささやかに考える提案をしました。

伝言ゲームのようなもので、本当はもっと違う事実、ほんの一部分についての話だったものが、両脇を削られ断片的な都合の良いところだけが世に広まりました。

今やそれが誰しも疑いのない、医者ですら安易に語る正確な事実かのようになっています。

▼プロテインとササミ

たとえば前回挙げた一つに、プロテインとササミがあります。

筋肉づくりには良質なたんぱく質が必要であり、それを摂取すれば筋肉にたんぱく質が入るという安易な結論付けにより、栄養関連の本にはつねに牛乳や卵が記載されています。

しかしそれでは脂肪が多いので、たんぱく質のみを摂取するためにプロテインやササミを食べる、というものです。

そしてこういう栄養の取り方をする人は大抵、極端にそればかりを口にします。つまり食事がとても偏ります。

これは「筋肉=たんぱく質」という断片的な情報を、體づくりのド真ん中に置いてしまうためです。まずそれがスタート、基本、土台であるかのように錯覚しているのです。

體はたんぱく質だけでできているのではありません。また筋肉だけに焦点を当てても、他の骨や神経、血管、内臓への栄養が不足してしまえば、筋肉づくりに多大な影響を及ぼしてしまいます。

體はひとつに繋がっているからです。筋肉をつくるためにたんぱく質を取れば良い、という安易な発想でみなぎる體は育ちません。

▼炭水化物=悪という断定

他にもわかりやすい例としてよくあるものを挙げると、ダイエットでの炭水化物は悪だから食べてはいけない、というものです。

炭水化物は必要量を超えて摂取すると、體に溜まり脂肪に変化してしまうという迷信があり、まずそれだけでも間違っているのですが、もっといけないのは一部の情報によって「炭水化物は悪」とか「米は太るからダメ」と、有りか無しかの二択で決めてしまうことです。

おそらくあなたの太っている原因はたくさんあり、お米をいっぱい食べてきたことが悪いのではありませんし、お米自体が體を壊す悪い食物なのでも、決してありません。

精白して中心にある糖質だけ食べること、外側のビタミンやミネラルや食物繊維といったものを削り取って一個の偏った栄養分を摂取することは體へ大きな負担になる、という話がスタートラインです。

それが世間に浸透する頃、というよりも世に知れ渡る情報はいつも簡潔になってしまい、お米=悪となっているのです。

炭水化物をすべて無くしたとして、当然いくらかは成果があるでしょう。でも重ねますが、もしあなたが肥満で生活や体調に不安があるならば、その原因はもっと他にもあるのです。

炭水化物はわずかな可能性の一つではあるのかもしれません。しかし話の中心では断じてありません。

▼先祖伝来の深さを信じる

このように世間には間違って広まった知識が散乱しています。またそれを安易に信じてしまう私たち人間の浅はかさというものも、一つの病と言えるでしょう。

あれを食べると良い、こうやると栄養が倍増する、○○成分をサプリで、そういうものから一旦離れて生活してみませんか?

健康のためにこそ、體づくりのためにこそ、普段どおりの、日本文化が育んだいつもの食事をおこなうことを考えてみてください。

礎となるものは遙か昔から永く永く培われてきたものです。それに優る真実はありません。

(了)

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