【片岡編集長】アウトサイド同士のSwitchし、ミスマッチを作らない
スキルアップ ディフェンス 動画 戦術 指導法 片岡 秀一 育成法
前回の記事では、『バンプで時間を稼ぐ、Switchをしない(高さのミスマッチを作らない)』方法、及び、遂行力を高める為のチームコンセプトや、長年のトレーニングの積み重ねなどを紹介しました。
今回は、前回と同じ動画を用い、さらに深い部分の攻防を紹介したいと思います。
ベルギーチームには、最初のスクリーンが成功すればゴール下のシュートに持ち込むことが出来ます。
しかし、日本代表に限らず、相手チームが対応をしてくる事も織り込み済みです。
そこで、スクリーンをセットした選手に対し、連続でスクリーンを用意し、DF側が連続で対応しなければならないシチュエーションを創り出しています。
バンプをして最初のスクリーンを防ごうとすればするほど、次のスクリーンへの対処が難しくなります。
多くの場合、シュートの上手い選手がトップの位置に出てくる事が多いです。このようなプレーはScreen for Screenerと呼ばれ、U15世代、U18世代等でも非常に有名な戦術です。
ここで、日本代表女子チームの動きに注目してみましょう。
ゴール下近郊でバンプをし、相手選手がトップの位置に上がってくるタイミングで、画面下側の選手がトップの選手を守るべく移動します。
いわば、スクリーンプレーに全く関与しなかった選手が、相手チームがボールを渡したい選手に対して守備をする戦法です。
当然、画面下側の選手がノーマークになってしまいます。しかし、ボールから遠いエリアにある為、パスをするにも時間が必要です。
そこで、日本代表チームの長所である脚力の出番となります。
トップ付近の3Pシュートの脅威を消したのちに、画面下側のアウトサイド選手も防ぐ必要があります。
動画のように、バンプをした後に、迷いなくダッシュをして守る必要があります。
本プレーの特徴は、最初のバンプの意図と同様に「高さかスピードのミスマッチを創り出さない事」が挙げられます。
アウトサイドの選手とインサイドの選手を絡め、2回のスクリーンが発生していますが、画面下側の選手へのマークが間に合えば、元々のマッチアップに限りなく近い形に収まります。
1回のオフェンスでは24秒以内にシュートをしなければならない為、ボールを奪わずとも、相手チームの時間を奪う事に成功します。
また、トップの選手に対し、画面下側の選手がDFとして出没する事を予期していなければ、つい、トップの選手にパスをしてしまう事も考えられます。
相手が不用意なパスをすれば、そのままスティールが狙え、ファーストブレイクを出す事も考えられます。
決して簡単な戦術ではないかも知れません。しかし、バスケットボールの競技特性等を踏まえ、非常に有効な守備戦術と言えるでしょう。
ビーレジェンドプロテイン「スポーツ&ウェルネス」の 詳細はこちら