【梅原トレーナーのからだづくり哲学】トレーニング頻度は学問的な見解よりも自分の選択を重視しよう

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バスケットボールのコーチの方々から、

「このトレーニングはどのくらいの頻度でやったらいいでしょうか」

という質問を受ける。

もちろん学問的な理論としてどうかと聞いているのだと思うが、答えるときはその現場に即した現実的な話をしなくてはいけない。

このようなとき、考えるべきは運動生理学的なことよりも、人の意欲と集中力である

▼取り組み方は人により違う

トレーニングは毎日でも一日置きでも週1回でもかまわない。もちろんやってなんぼであるから週1回と7回は実質的に成果が違う。しかしそれはすべてを有益に行えた場合の話である。

実際には、影響があるのはそれよりも「中身の濃さ深さ」となる。

とくに中高の年代では、物事を曖昧に程々に済ませる傾向が強い。そこがものの習得を左右する根っこであるから、いかに集中して真剣に、目的を達するために取り組めるかが要と言えよう。

これは明確に人それぞれ、チームそれぞれだ。集中力の長く続く人もいるし、気が分散することの多い人もいる。

意欲の高い人、熱心な人、没頭する人、研究心のある人、そういうタイプと(本当はタイプなどと安易に済ませてはいけないが)、頑張れない不真面目な、あえて悪くして自分を崩す人というのがいる。

当然だが物事の習得と上達には、日々の努力が必要だ。正しく行い、きついことを頑張り、飽きずに同じ事を繰り返せる忍耐力と落ち着きを持たなくては自分の能力を育てていくことはできない。

だからそれをおこなえる時間や回数を見つける必要がある。毎日は無理だが週に一回であればしっかりできるのならば、その効果的な方を選択すれば良い。自分にとって有効となる側を選ぶことだ。

▼トレーニングの内容で決まる頻度は実態に合わない

また別の側面として、どんな人であっても、その物事を習得するためにはこれくらいの頻度が必要である、ということもあるだろう。人に因るのではなく、トレーニング自体の中身に内在した量だ。

さすがに週に一回だけでは、いくら集中しても真剣に取り組んでも、あまりに練習回数が少なくて上達できない、それも現実としてある。最低でもせめてこのくらいの量は取り組まないと効果は期待できないという、一定ラインがあると思う。

それは学問的に明確なものとして言えることが、本当は少ない。筋肉痛からの超回復で2〜3日おきに・・・などという昔からの定説もあるが、実際は週に1回でも人によっては筋力が上がるし、週3〜4回おこなってもなかなかパワーアップしないこともある。

體がどのように反応するかは、おそらく環境的な影響が強いために、確実なことがまだ解っていない。

▼あなたの実感が最優先

ではデタラメにおこなうしかないのか。そうではなくて、あなた自身がトレーニングを取り組んだ直の感触が、最優先の判断材料となるのだ。

トレーニングをおこない、この内容ならば目的・目標の達成のためにどのくらいおこなうと良いだろうかと、実感するところが必ず出てくる。

途中で少ないと感じれば増やせば良いし、多いと感じたら減らせば良い。おこないながらその都度で感じ考えて最適を見つけることが、本当は望ましい。

時期を見て、集中的に注ぎ込む期間と、一旦休む期間を決めることもできる。こういうことは頭でっかちに教科書に載っていることをそのままおこなうのではなくて、あなたの実感のほうを主体にして進めるべきなのである。

▼あなたの頑張り度で決める

もし時間の制約で僅かしか取り組めなくとも、そこに精力を注ぎ込めるのならば成果はつくれる。つまりその時間を大事にする心の配り方が芽生えるから、自分にとって頻度の大小に関わらず有意義な取り組みとなるだろう。

気のない手を抜いたトレーニングを毎日行うよりも、しっかりものにするぞと意気込んだ週一回のほうが、絶対的に成果が保障できる

トレーニングの頻度を決めるときには、実質的な時間の余裕(環境因子)の中で、運動生理学的な一般論よりもあなたの頑張りが続く量を主体にして、性格的なタイプも考慮しつつ、その頻度を考えてもらいたい。

(了)

 

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