【梅原トレーナーのからだづくり哲学】ケガ人の復帰をどう考えるか(1)

スキルアップ トレーニング 梅原 淳 練習法 育成法

不肖私は体力トレーニングの専門家の端くれとして、全国の高校や中学を回って体力づくりを指導している。

肉体を磨き上げることで、競技力を高めることはもとより、ケガをしない耐性の強いみなぎる體を育むことにも貢献できる。

その上で、やはり選手は大きな目標のためにハードな練習に挑むから、限界ギリギリの力を出してプレイしている。誰もケガはしたくないが、一方で腕や脚の一本犠牲にするほどの覚悟と決意で臨んでいる。

ケガをしてしまったとき、これまでの努力がすべて台無しになってしまうという脱力感や、絶望感を覚える選手も少なくない。

しかし情熱の炎を絶やさず、時間を掛けてしっかりと體を作り直せば間違いなく元のようにみなぎってプレイをすることができる。

重要なことは正しく順序を踏んで体力を回復させ、万全な状態でプレイを始めることである。

患部の回復を待って、必要ならリハビリテーションも平行しておこない、運動強度を少しずつ上げていってケガをする前の元の体力に戻すこと。

それが完遂することを「復帰」と言う。

今日はケガ人の復帰について一緒に考えてみたい。

あなたならば、ケガ人の復帰までのプロセスをどのように考えるか。

ケガ人はほったらかし

プロチームであれば、リハビリなどについて専門とする職業の者がいて毎日携わってくれるので安心だが、大学生以下の部活動やクラブチームではサポートがないために、そこがどうしても不行き届きで取り組みがルーズにならざるを得ない。

程度の軽いケガならば痛みが取れるまで数日間安静にすれば良いし、突き指程度はテーピングをして保護して練習できる。

問題は、回復期間が一定程度長いケガである。

実際コーチはチーム強化のほうに目が向いているため、戦線を離れた者はコーチングの対象から外れることになる。これは仕方のないことだと思う。面倒を見ないコーチが悪いとは言えない。

外部からトレーナーや鍼灸師、柔道整復師などいわゆる整骨院のようなところで働く方に来てもらっているチームもあるが、その多くは現状に対処するのみであり、完全復帰までの長いプロセスを計画的に進めることはほとんどない。

つまりケガ人はチーム内において、基本的にほったらかしとなっている。コーチが目をかけ手を差し伸べる対象外ということになる。

もちろんリハビリメニューなどを教えてもらって取り組んでいるケースもわずかに見られるが、それも現状は“取り繕う”くらいのレベルでしかない。

軽くチューブでちょろちょろと関節を動かすとか、バランス系のスタビライゼーション・トレーニングをしたり、エアロバイクを漕いだり、大半が復帰への段階的なレベルアップというよりも、練習できない間の時間潰しの色が濃い

多くの現場において、ケガ人への扱いは「患部が完全に修復されるまで休み」というのが実際だ。

ただし何もしないでいるのは気になるので、少しトレーニング“らしき”ものをやっているというのが、全国を回っている私の目に映るありのままの様子である。

突然の競技完全復帰

そうして選手は実質何もしないまま休み切った後、患部が修復されると突如コートへ復帰する。

私が心配するのはここである。

ほぼ見学者のような、リハビリとは名ばかりの長期休養を経て、いきなりトップギアに入ろうとするのだ。

私はいつもケガ人には段階的な負荷のレベルアップを促している。それは大概が、何もせず休んでいたくせにある日突然に健常者側に立場を移そうとするからである。

選手は復帰について「少しずつ」とか「徐々に」などと言いつつも、大抵は長く下へ潜っていて、あるときから突然ぐっと上げていこうとしてしまう。

それでケガが再発するのだ。

一晩でケガが治る!?

ある日までケガ人で、次の日からいきなり元通りなんてことがあるだろうか。ケガをする前の状態を10とすれば、ケガをして0になり、当然斜めに直線が伸びていって10に戻るのが絶対だ。

しかし現場ではこれが絶対ではない。

要は段階を経るということであるが、この段階を踏まずに「痛くなくなったから」「医者が治ったと言ったから」で急に10の中に入ってしまうケースが非常に多く見られる。

休んでいる間は「無理をせず」「軽めに」を貫いていて、段階を2,3,4……と上げようとはしない。外から練習を傍観して、唯々ジッと安静にしている。

長引いているのかな、ケガの程度が酷いんだな、私がそう推察していると、あるとき急に練習に加わっていたりする。しかもフルで思い切り動いているのだ。

昨日までまったく動く気配もなく、長袖のスウェットを上下に来てマネージャーと一緒に身の回りの世話をしていた人間が、今日はコートの中でガンガン走っていた、なんてことをこれまで何度も目にしている。

これが日本のスポーツの現状である。

次回さらに続けたい。

(2へ続く)

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