【梅原トレーナーのからだづくり哲学】読書のススメ(2)

スキルアップ 梅原 淳 育成法

物事を成熟させていくためには、自分で道をつくる力、塞がれている扉をこじ開ける力が必要となる。

それができるのは幼い頃から学ぶ訓練をしてきた者だけである。興味を持ったことについて熱中し、真剣になり、もっと良いものにしようと意欲的に取り組むことは「学び」そのものだ

探ったり調べたりを自分でしていくとその物事が深まっていくことを、私たちは子どもの頃から経験する。博識であり達者であるのは素晴らしいが、もっと意義深いのはそうなるための努力を惜しまずできるところだ。

自ら学ぶことを読書で学ぶ

学ぶというのは教わるということではない。勉強は人の手助けを受けるものではなく、自分で頑張ることを言う。

それをすることができるということは、どんなことよりも価値がある。スポーツにおいてどんなにコーチからしごかれても、本当に力が備わるのは自分から取り組んだときである

コーチのしごきは助けにならない。厳しい稽古の中で、自分から習得しようと行動したときに技量ははじめて向上する。上達する者は、練習内容やコーチの助言などに関わらず、自分の力で育っているのである。

訓練は幼少期から

何事においても、不勉強な者は力が身につかない。自分からものを知ろう、覚えようと学びに励めることは何にも代え難い能力だ。

これは幼い頃からの訓練だと、先に申し上げた。これをほとんどすることなく大人になってしまったらどうだろう。果たしてそこから挽回できるか。訓練されてないことを成人してからやれるものだろうか。

決してゼロではないと思う。やってやれないことはないと思うが、最も知る意欲に溢れているのは幼少期であり、その年代に訓練をしておけば絶対的な力となることは誰にでもたやすく理解できるだろう。

したくないことを我慢して無理におこなっても、あまり実りは期待できない。したいときに熱をもっておこなえばぐんぐん力が伸びる。これは皆が経験していることだと思う。

自分から調べる、知ろうとする、考える、試してみる、そういう自助的な行為を幼い頃からしてきた者は、大人になっても新しいものを意欲的に手に入れられるに違いない。

しかし万が一、そういうことをあまりしてこなかったとしたら、ある程度の歳になってしまってから挽回するのは至難の業だ。

経験してこなかったことを、いかに大人とは言え強引に行おうとするのは負担が大きい。したいではなく、しなければいけないというネガティブな感覚で学ぶ力など断じて得られない。

学ぶ訓練をしなかった者は、自分を育て助ける力を持たずに生きていかねばならない。それは不幸だ。

だからこそ、私は子どもたちに読書を勧めている。

何を読むか

読書と言っても様々なジャンルの本がある。どんなものであれ読むことに越したことはない。自分から知ろうとする行動を身に備えることが、読書の価値のド真ん中だ。

ただもし選ぶとするならば、とくに歳の幼い頃は「物語」が良いと思う。これは私個人の考えである。

大人がよく読むようなビジネス書とか自己啓発本の類いは、進む方向が決められていて、最後にはこうするべきだと答えが書いてある。答えの載っているものは思考力の発達には寄与しない。

同じように理論書やハウツーもの、ノウハウ本などと言われるものも答えが書かれているからお勧めしない。

答えがなく、感情や考え方を進ませる方向も自由で、自分のオリジナルな意見を持てるのが物語だ。さらに人生の教訓としての側面が多く、物事の善悪を知り、幸不幸を知り、正否を知ることができる。

良い登場人物も悪い登場人物も出てきて、世の中のあらゆる生き方を表現してくれるから、それを読み自分なりの感情を抱かせたり見解を持ったりすることができる。

すなわち本質を自分で考えるという機会が物語にはあって、格好つけて言えば哲学をしているのだ。

童話も含めて、物語は自分の学ぶ力を育む良い教本だと私は考える。

指南書はいらない

反対に答えや成功する方法を教えてくれる本は、テストの答案を見ているようなものだ。

読書において自助力を身につけることが真の価値だとすれば、その訓練のために本を読むのであって、オモチャを組み立てる説明書を読んでいるのではない。

指南書の類いはすべて成功のための策や方法を教えるものだから、手っ取り早くゴールをすることが目的となってしまう。それは「学び」とは違う。

自分の考え、選択、判断、実行、改善、工夫など、そういった生きるための支えとなる逞しい地力を持つためには、やはり答えや手法は書いていないほうが良いだろう。

漫画もときには

極端だが漫画だって物語だから、内容によっては素晴らしい教本となるかもしれない。

しかしそれも、映像で見る「アニメ」ではなく本がやはり良い。テレビは勝手に内容が流れてくるが、本は自分でページをめくって読む必要がある。ストーリーを自動的に教えてはくれない。めくらなければ内容は見られない。

おわかりだろうか。知るために自分から動く、これが読書の意義なのだ。その一点においては、文学も漫画も価値は同じと言えるだろう。

学問的知識があっても

テストの点数を取るために英単語を暗記し、漢字を練習し、方程式を覚えることは単なる知識の詰め込みだ。読書とは性質が大きく異なる。

たとえ学校のお勉強ができる進学校の生徒であっても、考える力、探る力、気づく力に乏しいことが決して少なくない。自分なりの予測や考察をまったく持たず、指示をしなければ動かないので、すべて私が物事を運んでいかなくてはいけない。

今申し上げているのは、部活動の練習の話である。

本当に考える力のある賢い人間なのかと、首を傾げてしまうことが多々ある。一部の特定の者の話ではない。全国を回って実感する日本全体に共通した話だ。

ペーパーテストの点数が取れることと、自分の頭で物事を考え道筋をつけていく自助力とは、別のところにあるようだ。

本を読もう

知識を蓄えることはもちろん学力の基礎であり、大いに勉強するべきだと思う。しかしそれだけにとどまらず、その知識を活かして日々の生活をより膨らませていってほしいとも思う。

テストで合格点を取るためにうろ覚えで単語を記憶するのが勉強ではない。本当はその前に、自ら知ろう、探ろうと行動する意欲を育てることが肝心だ。

それを育てぬまま「テストをするから知識を入れろ」とやっているのが、現代の日本の学校教育の在り方である。

最後に改めて申し上げたい。

本を読みませんか。

読書によって本当の学ぶ力が養われる。テストがあってもなくても、そんなもののためではなく、自分の人生を豊かにするために「学ぶ」ことは必要なのだから

学ぶとは自助の力だと、私は思う。

(了)

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