【梅原トレーナーのからだづくり哲学】ある進学校の自立への歩み その8

スキルアップ チーム作り 指導法 指導者 梅原淳 育成法

今回ご紹介したチームと選手の話というのは特別なものではない。どこにでも誰にでも起こりうる、私たちの日常の姿だと思う。

ただし彼らがしてきたこと、今も努力している自己研磨という自分で考え行う練習は、他に見ることはできない希有なものだ。

私自身も、まだこのチーム以外ではここまで思い切って試みているところはない。彼らならできるだろうとある種の直感があったからこそ、不安もあったが踏み込む決意ができた。

そしておそらく、ほとんどのチームにおいては失敗すると思う。それが今の日本の、少なからず私が知る限りにおける子どもたちの現状と言える。

▼他人につくってもらう自分の成功

子どもたちを野に放ち、自分の事は自分でやって歩いて行けとやったらどうなるだろうか。あなたの生活環境で想像してみてほしい。彼らは誰に引っ張ってもらわずとも、自らの足で目指すものを追求していくだろうか。

これは成功するとか失敗するという意味ではない。自分の辿り着きたいところがあって、そこに向かって自分で勉め努め、道を逸れれば軌道修正し、行き詰まれば苦しんでも自分で打開し進んでいく。

それが私たち一人一人に与えられた自由な人生の権利と言える。

そうやって自分で考えて主体的に行動する生き方を、今の日本の子どもはできるか。

私が全国を回って学校の部活動でこれまで見てきたものは、残念ながらそうではなかった。とくに近年は変わってきている。

人に駆り立てられなければ動かず、頑張ることも人につくってもらい、さらに評価も甘くしてもらう。そうやって世話をしてくれる周囲の人間のおかげで、自らは動かない人間でもある程度の格好をつけることができている。

どのようにして今の自分の力を身につけてきたのかを本人が自覚できないということは、物事はどのようにして育っていくのか、成熟していくのかを知らないということである。

当たり前にそれがあると思い違いをしているのも不思議なことではない。これが現代の子どもを取り巻く環境だ。

だからほとんどのチームでは、おそらく「自分たちでつくる練習」はできない。試みても間違いなくフリーズしてしまうか、無気力や手抜きに浸っていくか、タガが外れて荒れ放題になっていくだろう。

▼進学校足る所以

ここに登場した県内屈指の進学校にあっても、彼ら特有の人任せ気質が自分たちを苦しめていた。

ペーパーのテストはたしかにできる。問題を解くということについては、高校受験のときからすでに高い成績を出して合格してきているし、高校に入ってからもレベルの高い勉強を要求されているだろう。

しかし部活となれば、これまでお話ししてきたとおりである。自ら考え行動することを要求されると途端に動けなくなってしまうのだから、いかに知識は豊富でもそれを活かすリテラシーがないということである。

それでは何のための勉強か、何のための知識か。ペーパーのテストで高得点を取るためだけにやっているのなら、社会に出てからの人生本番でどうにも役に立たないだろう。

自分の長い、長いたった一度の人生をより良く生きるために、学問を含め世の様々な物事を勉強するのであって、学力が高くてもそれが日常に生きないのなら、それで一体なにが進学校だろうか。

彼らはきっとテストの点数を取る訓練はしてきたが、それがたくましく世を生きていく力にはなっていない。

現代の日本教育の見えざるほころびと言える

▼情報の詰め込み

ペーパーの問題は解けて点数が取れても、社会に出たならば自分で物事を向上させる力や解決する力がなければ到底やっていけない。

バスケットボールでもまったく同じだ。練習を自分で行えないならば、日々必死に勉強していることは使わない宝の山でしかない。

彼らの勉強、いや日本の勉強とは、目的なく情報を詰め込むだけで、さらに模範解答があり、それを当てられれば優秀とされる。

自分で自分を育てることができないのは、言われた事だけやってきたから、答えがあるものとしか付き合ってこなかったからに他ならない。

本当は答えを当てることが大事なのではなくて、進んでいくため解決するために自分で考える力が必要なのではないだろうか

▼想像力と創造力

もう一つ、日頃から自分で考える習慣がないことに加え、彼らには想像力と創造力が足りなかった。

これはなぜか。彼らはつくられた枠の中だけで生きている。大人がその枠を作っていることに、私たちは気づくべきだろう。先に述べてきた、大人が道筋を立てたり成功をつくってあげたりすることを、ここと重ね合わせることができる。

私は学校が悪いと言いたいのではない。社会で先を生きる私たち大人が、子どもの生きるかたちを決めてしまうことが、枠で囲っていることそのものなのだ

学校の勉強も、スポーツクラブも、親の子育ても、何事においても「こうすればよい」と方向付けや結論付けをしてしまっている。子どもはその中に収まって生きている。

▼矛盾のようで違う

レールに載せることや情報の詰め込み教育は、世界を狭める。考える力をつけるためには、もっと自分で枠を広げていかないといけない。

すべての想像と創造は、自分の持つ枠の中でしか考えることができないのだから、日頃から本を読んだりして自ら学び、その枠を無限に広げておく必要がある。

しかし何度も言っているように、自分からは新しい物事を身につけようとしない。この裏腹が辛い。矛盾のようだが、成るべくしてと言わざるを得ない。これが負のスパイラル、私たちが自らそうしてきた結果だ。

よかれと思って教えすぎること、導きすぎることが子どもを弱くしてしまう。何でもしてあげ、判断を甘くし、成功をプレゼントする現代の教育だとこのようになってしまう。

これが日本のたった今である。

▼唯一つの願いは「自立」

私はこの話をとおして、教育を再考察するきっかけにできるならと思った。繰り返すが教育とは学校とか子育てに縛った狭い世界ではなく、私たちが生きること自体が日々勉強であり、それをあえて“教育”と表現している。

頭でよく考えることや、體の感覚を研ぎ澄まして肌で感じ取ること、これらは教わることで行動になるものではない。隅から隅まで教えてもらい導いてもらうことは人をダメにしてしまう。道を自分でつくっていくことの尊さをもう一度考えてみてほしい。

物事はやってみなければ何も始まらない。試さなければ失敗も成功もないし、改善や向上も決して起こりえない。この自発的な行動を育むことを教育のスタンダードとしていくことができれば、日本はこれからもっと素晴らしい国に育っていくだろうと思う。

漫然として何も見ない、考えないことから脱却すること。それにはまず大人が何でも手を貸して、世話してあげるのをやめることから始める必要があるのかもしれない。

教育(=生きること)における唯一つの本質、それが「自立」と私は考える。

 

全8回にわたり、お読み頂き有り難うございました。

(完)

 

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