【梅原トレーナーのからだづくり哲学】緊急提言!「高校リーグ戦問題」を考える その2

スキルアップ 梅原 淳


現場のコーチらとリーグ戦の議論をするとき、いつも決まって日程の話が中心となる。

高校では、リーグ戦と同時進行で育成事業のDC(デベロップメント・センター)が月に一度行われることが決まり、またウィンターカップも大会規模が大きくなった。

一度に多くが動き出したことで、県内日程は昨年と今年で一気に膨らんでいる。

▼リーグ戦という負担

現在、日本の高校バスケでは、県内の公式戦が3つある。

冬に開催される新人戦、初夏のインターハイ予選、秋のウィンターカップ予選が軸となっていて、それが県大会のみの地域もあれば、地区大会と県大会の二段階に分かれているところもある。

さらに例えば関東圏などは、4〜5月にかけて関東ブロック大会の出場をかけた県予選(その前に地区予選)があり、重なるようにして5〜6月でもう一度、今度はインターハイ出場をかけた予選を行っている。

つまり2ヶ月連続で同じ公式戦を2回実施していることになる。中国ブロックも同様だ。

また2017年より、冬の全国大会であるウィンターカップが選抜大会から選手権大会へ変更され、県内大会も全チーム参加で行われることになった。

これまではインターハイ予選時の上位チームだけに出場権を与え、ベスト8以上とか16以上のチームでウィンターカップ予選を行っていた都道府県が多くあった。それが今後は全てのチームが出場することになったので、場合によっては日程が倍以上になっている。

加えてその地域独自の大会もあったりするから、とくに学校数の多い都道府県では、すでにスケジュールの空きは少ない。

その状況下にあってリーグ戦を新たに導入することは、誰が見ても負担でしかないだろう。

▼いの一番にスタートした京都

このように、リーグ戦はまず何よりも一番大きな課題として、スケジュールを組む難しさがある。

すでに組まれている年間スケジュールに、このJBAが持ち出したリーグ戦を導入することが極めて困難であり、地方協会の担当する委員たちがひどく頭を悩ませている。

実施されている一例を言うと、京都では1部リーグと称してインターハイ県予選の上位8チームで総当たり7試合を行うこととした(初年度のチーム編成として)。

現状で大会のない時期を使うことになるが、対戦する双方の学校行事やチームの活動予定などもあるから、それらをクリアして試合を組まなくてはいけない。

当然だが日程は飛び飛びになり、また急なキャンセルなども起こるから、わずか7試合でもすべてを消化することが非常に重いノルマとなっているという。

最終的に1,2試合ほどは実施できなかったという話も聞いた。

これを前期と後期に分けて年2回行うと言うのだから、頭を抱えてしまうのも無理はない。

さらに県内全チームで編成して行うとなれば、もっと実施が大変になることは目に見えている。

このような状況でも強行して日程を組み、ひとまずは試合をしたという実績だけは作れても、その代償として「チーム強化の妨げ」「モチベーションをつくれない」と不満や不信感が募ることは、どう考えてバスケットボールの前進ではない。

リーグ戦構想が価値のあるものだと思え、また実際にそうであるのなら、スケジュールに多少無理があっても問題にはならない。皆が前向きに尽力するだろう。

ひとえに明確なビジョンを打ち出せていない現実が、事を悪くしていると言わざるを得ない。

▼見せかけの東京

私が現実的に絶対にリーグ戦を行えないと思う自治体がいくつかある。一つは面積が広すぎる北海道、もう一つはチーム数があまりにも多い東京都の二つである。

どう考えても無理のある東京は、この事業を無視しているのだろうか。じつは今年、リーグ戦を始めている。

ただしそれは編成も何もなく、無造作にいくつかのチームでつくって練習試合のようにして行われているだけのようだ。

主に協会役員の方々が顧問をしているチームでリーグを組んでいるそうで、そのわずかな学校だけで行っているものを「東京都のリーグ戦」としていると言うのだ。その他の数百校は試合をしていない。

つまり、ひとまず何でも良いから「実施している」という事実をつくってお茶を濁しているのである。

▼完全無視の九州

それを行おうとする、湧き上がる意欲は「目的」で決まる。日本バスケが良くなるために有意義な事業であるかどうかで、私たちの行動は変わる。

素晴らしいものへと発展する可能性が見えるのならば、困難でも足が前へ出るし手も動くだろう。我田引水でしか考えない不届き者もいるだろうが、数年前にJBA幹部が排除されたように、地方協会や現場でもいずれそれらは自然と淘汰される。

問題の根源は唯一つ、リーグ戦の未来像と具体的構想がないことにある。

日本一のチームがいる福岡県をはじめ、九州ブロックではリーグ戦の話題すら現場にまるで聞こえてこないそうだ。

不肖私はこの事実をJBAの育成事業の担当者に伝えたところ、意外にもしっかりと把握していた。しかしそれを「九州が動かない」という理屈にしている。

違う、計画が悪いのである。

明確であれば現場は動けるし、動かないものを動かすことも中央にはできる。それをしていないのはJBAの怠慢そのものである。

(了)

 

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