【梅原トレーナーのからだづくり哲学】いまこそ「キャプテン」を考えよう その1
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もしあなたがバスケットボールチームのヘッドコーチであったなら、キャプテンをどのような基準と方法で決めるか。
これはきっと、チームキャプテンというものをどのような存在として捉えているかによって、様々に違ってくるだろうと思う。
私は常、チームの内側というものに接している。唯一つだけのチームではなく、全国各地の中高の部活動を目の前で見ている。
たった今の日本のバスケットボール部は、どのようなキャプテンをつくっているのか。そもそもキャプテンとは何か。キャプテンという存在の意義を改めて考えてもらうために、そのきっかけとしてこのテーマを取り上げてみたい。
▽キャプテン･主将とは
まずキャプテンと言えば、選手の中の代表者、チームをまとめるリーダーとか頼れる存在、大体はそのような認識だと思う。
どのような者がそれに適任か。責任感がある、面倒見が良い、気が回る、求心力がある、そして何より人望の厚い者がキャプテンに相応しい。
ではそのような人物がチームにいるのか。幸運にも我がチームにそんな素晴らしい選手がいたらチームはきっと大成功していると、誰もがそう思うだろう。もし本当にいたらどんなに有り難いか。
キャプテンどころかコーチだって、そのような人格ある頼もしい者などそういない。では誰が実際にキャプテンを務めているのか。
▽エースがキャプテン
いくつかの県で聞いたのは、プレイの中心人物がそのままチーム運営でも中心つまりキャプテンになることが多いという。
プレイで魅せるから皆が憧れ一目置き、ゲームにおいて主力な上その人物を目標･指標にして頑張るということがあるので、チームで最も活躍するいわゆる「エース」がキャプテンも担う。
だから選手勧誘に力を入れている高校チームなどでは、中学の各校からエースが集まると元キャプテンだらけになることもある。それなら有力なキャプテン候補がたくさんいて選びたい放題だ。
しかし現実はそうならない。バスケットボールの技術が高い者をキャプテンにしているのだから、プレイで貢献はしてもチームをまとめる力があるかは未知数だ。
▽キャプテンの仕事とは
このようにエースだからチームの仕切りもこの人物という発想は、申し訳ないがチーム運営ということに無頓着であると言わざるを得ない。
直接的な技術力だけしかチーム成長と成績向上に影響しないと考えているコーチは意外に多い。考えているというより実際は考えてすらいない。素直にそう位置づけてしまっている。
チームを勝利に導く大黒柱は、コーチの側から見てもたしかに頼もしい。コートの中でエースであり、さらにチームも力強く引っ張れる選手だって少なからずいる。
ただしそれはあくまで両方の素質を兼ね備えているということであって、エースプレイヤーだからキャプテンに相応しいわけではない。本来は前述したチームをまとめ引っ張る素養をもつ人材が必要だし、それは決してゲームで輝くチームの顔でなくとも良いのだ。
キャプテンとはなにか、ここから考えていきたい。
（以下、次号）
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