【レビュー5】ワンハンドシュート指導の現在地【新作情報】

オフェンス シュート スキルアップ 今倉 定男

今回は、ワンハンドシュート指導の現在地について考えてみたい。

現在のバスケット界では、様々な情報やコーチ育成の体制が整い、以前よりもきめ細かな指導が行き届くようになったことは間違えない。

選手の長期的な成長過程を踏まえた上で指導に向き合って下さるコーチも増えてきた。

例えば、以前であれば、選手自身が目の前の課題を解決する為にシュートフォームを構築していく必要があった。

極端な事を言えば、ミニバスでバスケットをスタートした場合、50センチ低いリングにシュートを決める為にシュートフォームを最適化する必要があった。

選手の自主性という意味合いでは間違えではないが、発達段階を踏まえない場合、無理やりにボールを飛ばすフォームで習得してしまう。

また、そのまま、大人用リングを使うU15へと進んだ際にも苦労するだろう。

「目の前のゴールにシュートを決める」事と同時に「発達段階を踏まえ、やってはいけない事」を明確にして挑む必要性がある。

ある程度のカリキュラムを持つコーチの場合、一定のシュートフォームで打てない場合にはシュートの飛距離を制限する事で無理のない成長を促す事もあるはずだ。

その中、今倉氏の理論は「飛距離」や「ボールのアーチ」に関しては絶対の自信を持っている。

これを習得する事は、非常に面白いシュート指導を選手に可能とするのではないか。

また、従来のシュート指導については「外からの見た情報」からコーチ陣が分析をし、アプローチをした部分の影響も多いのではないかと感じる。

数年前、国内外で大きな実績を残した青木康平選手のシュートを研究する取り組みがあった。

絶大なシュート力を持つ青木選手に筋電図を付け、シュートを放つ際の筋力や出力の関係性を解析しようとする取り組みだ。

あくまでも一例だが、青木選手がシュートを放つ際、下半身から上半身へと伝える力には大きな差は無かったという。

論説によると、手首からボールに力を伝える際や、ボールの軌道でコントロールしていたという。

ある種、これまでの定説「飛距離のあるシュートの場合は、下半身(床からの力を使う)をより強く上半身へと伝える」と反する内容だ。

これらは、見た目の情報だけでは分からない事でもある。

最新のテクノロジーを使う事で、熟達した選手の実際が分かってくる。

あくまでも青木選手の事例であるが、分析手法を踏まえればアプローチ方法も変わってくるだろう。

さて、今倉氏の提唱する理論が重視するのも、見た目の安定感や、外からの情報ではなく、シュートを放つ本人が感じる内的な情報だ。

よりナチュラルに、よりスムーズにシュートを放つ選手の特徴に由来する。

DVDの中でも紹介されている通り、下半身の出力や、上半身の出力にも明確な理論がある。

ロスを生じることなくボールへとエネルギーが伝わり、飛距離、アーチ、そしてスピンを創り出す事が出来る。

「見た目からの情報」では分析しきれない領域がある。

本映像教材のような理論を学ぶ事は、確かな広がりを与えるだろう。

今倉氏は下記のように語る。

「すべての常識が嘘とは言いません。しかし、だからこそ嘘に気づけない選手がたくさんいるという事実…。でも、今までの考え方をガラリと変えるのは簡単ではありません。(中略)ヒトは変化を嫌い、現状維持を好む生き物です。それは仕方のないことなのです。しかし、変化を恐れず新しいやり方を知った人たちが次々とゴールに決まる打ち方を見つけているのもまた事実。」

本理論に反対意見を持つ人もいるだろう。

そこについては否定はしないし、意見や議論は戦わせるべきだ。

しかし、反論派の人も、内容を確認すべきで、その上で反論をする。

無視できない状況になっているし、自分の理論を深める事にも繋がるはずだからだ。

また、既にクリニックを受講している選手やコーチも多いと聞く。

しかし、何処かで自己流の進め方や、間違った解釈で進めてしまっている部分もあるだろう。

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