【片岡編集長のプレイブック】戦術5-Latvia3

引き続き、FIBA EURO2017でのLATVIAのオフェンスからのお話です。

本プレーの目的は、small-BIGでのオフボールスクリーンである事を紹介しました。

スクリナーが屈強で、相手のBIGマンにもスクリナーとして有効である事が前提ですが、スイッチをしてくれればサイズのミスマッチ。

スイッチが無ければ、ボールが通る可能性も大きくなります。

勿論、バンプをすれば、その次のアクションが優位に働きます。

また、本プレーについて、下記コート図のようにドリブルダウンからエントリーする事も可能です。

一人のウィングコーナーで待機してコートを拡げる事が求められますが、イメージとしては下図になります。

B.LEAGUEでは川崎ブレイブサンダースが、下図のようなドリブルエントリーからのスクリーンでチャンスを狙うケースがあります。

 

＜ケース①＞

＜ケース②＞

 

＜プレーの説明＞
・自然なエントリーで、上記2スペーシングになる事は考えにくいです。
コールプレーとして、このスペーシングを指示する必要性があるでしょう。

・ポイントは、BIGマンのいないサイド（スクリナーになるアウトサイドの選手がいるサイド）でドリブルをし、45度のスペースに入る事です。
その際、アウトサイドの選手は、反対サイドのコーナーへステイします。

・この際、（ある程度の判断は選手に任せるとしても）スクリーンのユーザーがスクリーンを使う方向のメインをチームとして決めておくと良いと思います。
私の場合は、ベースライン側を支持します。
理由は、スクリーンが掛かった瞬間、ゴール下の深い部分でのシュートチェンスを狙いやすいからです。

・川崎では、辻直人選手がドリブルからの鋭いパスでゴール下のファジーカス選手へ見事なボールを通すことが多いです。

（辻直人選手の鋭いパス）

※上記画像をクリックしてご覧ください

・また、右サイド、左サイドと、パサーのスキル、インサイド選手の得意なサイドを考え、最初のスペーシングを規定する事も重要であると考えます。
私の場合、ガードの選手が右手でワンハンドパスを鋭く出せる事を優先し、右サイド（ケース2）を選手に提案するケースを採用しました。
インサイドの選手には、このシチュエーション、かつ、密集の状態でのペイントでの得点の練習を増やしてもらいました。

 

＜まとめ＞

フォーメーションは、動きの連続性や、複雑性に目が行くことが多いです。
シンプルなスペーシングだとしても、スクリーンをセットするコンビの愛称、その他の選手のスペーシング、狙い所の共通認識があれば、シンプルなプレーでも強烈な武器となります。

その後は、自チームのアドバンテージ（サイズのアドバンテージ、スペースのアドバンテージなど）を見逃さない事が重要になる事でしょう。

 

 

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