寮で成功するチームと失敗するチーム(上)【梅原トレーナーのからだづくり哲学】
スポーツで成功するために、その可能性がグッと上がる要件というものがあります。
もしそれをすれば誰もが確実に伸び率を上げられるという、成長に有利な条件とはなにか。
青山学院大学の駅伝が物語っているもの、そう「寮」です。
まず生活の中心をスポーツにすれば、確実にその成功率は上がります。プロスポーツ選手がその典型例です。
その次に、生活習慣をスポーツにとってプラスになるよう改善することが最良の手段であり、それをかたちにしたものが「寮」ということです。
寮を持つことだけで、スポーツの成功において圧倒的な差をつくります。
とくに10代の頃は親に公私で養ってもらう生活であり、自力で生活習慣を引き締められる人間は稀ですから、そこを世話してもらえる環境はそれだけでものすごく好影響なのです。
もし寮があればそのチーム、選手は確実に条件で優位となります。
プロスポーツ選手に準じた好環境に支えられていますから、たとえ高校生あたりで学業が本分であっても、スポーツに多くの時間と手間を掛けられる点で成功の確率は大きく上がります。
ではもし寮があっても、その絶対的に有利な条件を活かせないとすれば、どんなところに穴があるでしょうか。
寮を活かせないなら
私はこれまでの体力トレーニングコーチとしての仕事の経験で、全国を巡りたくさんのチームを見てきました。寮についても様々な状況を見聞きしています。
就学と通学のチャンスを広げ、生徒にチャンスをつくるという大きな目的は主でありますが、部活動など特定の分野で成果を上乗せするための寮生活でもあります。
そこに集中できて時間を割けるという環境それだけで、反対の環境にいる人と大きなアドバンテージが生まれます。
スポーツのための食事、スポーツのための部屋、スポーツのための睡眠、スポーツのためのチームメイトとの共有時間、すべてがプラスを生むための寮生活です。
しかしそれを積極的に活かさなくては、ただ住む場所が実家ではなく寮であるだけにもなり得ます。
寮を成果に変えられないチームや選手、変えられないだけではなくマイナスにさえなっているチームと選手が、じつはいるのです。
私はそういう現場も少なからずきました。
寮の利点
寮は大きなアドバンテージであり圧倒的に有利な条件になるのですが、実家で暮らすより優位である部分を実行しなくてはいけません。
なにもせずただ寮をつくって住まわせるだけのことなら、選手(生徒)からすれば誰の目にも触れず好き勝手をできることになります。
それは当然、生活を乱す元凶となります。
前述したように、子どもが自分から生活を正し律するなんてことは簡単ではありませんし、事実そうできる人は圧倒的に少数です。
自ら目標のために為すべき事をしっかり選択できるのなら、寮などに入る必要もないでしょう。親元から通ってもなんら変わらず素晴らしい成果を出すでしょう。
多くの選手らは、自分ではできないので外からの管理が必要なのです。それが寮の主にして最大の利点です。
次回に続けます。
(つづく)
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