【梅原トレーナーのからだづくり哲学】保護者の応援禁止が解除されない理由
スポーツに青春を懸ける子どもたち、そしてそれを応援するご家族は、終わりつつあるコロナ生活と回復しつつあるスポーツ活動の狭間で、試合観戦が県大会規模ではいまだ禁止されていることに不満を募らせている。
このレポートを読む人はバスケットボールに携わっているので、室内競技の苦しさを実感していることだろう。
今回は試合観戦が再開されない現状について、ごく短く簡潔にレポートしたい。
いまだ無観客
私は部活動が再開され現場に復帰すると、まずコーチたちに今後の大会予定について尋ねる。
その際、必ず「親御さんの試合観戦はどうなんですか?」とも訊く。
昨今は県大会や地区大会でも保護者の応援が盛んであり、毎試合楽しみにして観に来られる方も多い。
コーチの答えはどの地域でもまだ「NO」だ。
保護者が会場へ入れないということは、当然ながら私も入れない。どこかのチームに所属し公式に登録するなら当事者だから、体育館へ入りまた試合に立ち会うこともできる。
しかし私の立場はそうではない。
なぜバスケットボールの大会観戦は禁止されたままなのか?
問い方を間違えない
混同している人がいるので一応整理しておくと、親が我が子の頑張る姿を見られない辛さはよく理解できるが、そこだけが禁止されているのではなくチームに所属する当事者と、大会運営者だけが体育館へ入ることができる。
決して保護者だけを閉め出しているのではない。私のような立場の者も同じように観戦することはもとより、会場へ入ることだってできない。
それは体育館施設側、つまりは主に行政のルールに則って大会は運営されていて、体育館へ入る人数の決まりがあること、その他コロナ感染対策における定められた諸条件を守らなくてはいけない。
それを踏まえた上で、ここまで感染者が減りさらにしばらく続いている現状であるのになぜ規制を緩和せず、猛威をふるっていた頃と変わらない無観客を続けるのかを問う必要がある。
それが正しい問い方だ。
有観客に緩和される見込みは
私は「大体これが答えに近いだろう」というものを、ある都道府県の協会関係者から訊くことができた。
現在、行政は施設利用の際に、コロナ感染の可能性を調べるための問診表のような体調確認の書面への記入を利用者へ義務づけている。
チームは大会へ参加する際に毎試合ごと、選手やコーチら全員のそれを施設側へ提出して、感染の疑いの低いことを明らかにする。
私も居住区域の市営体育館で自分自身のウエイト・トレーニングをおこなう際に、毎回所定の用紙を渡され記入してから入場している。これなしには決して利用できない。
その書面の内容がクリアできかつ提出すれば体育館へ入れるのだが、もしも観客を入れるとなった場合にはその全員へ用紙を提出してもらい、それを漏れの無いよう一人ずつ確認する作業が必要になる。
それを物理的に行えないために、行政が管轄する大会では観客を入れることを取り止めている、ということだ。
そしてこの用紙提出が無くならない限り、無観客は続く。
自主運営の限界
高体連と中体連は、主に学校職員(教諭)が裏方作業をして自前で運営されている。
もし個別チェックを行うとなれば全国大会並みに完全入替をするか、出入口にて並んでもらい遊楽施設などのようにゲートで一人ずつ入場検査をしなくてはならない。
それを毎度教員が行うことは、現実的に言ってかなり難しい。
この体調確認のチェックシートを提出しなくてよい、または集め方に曖昧さがあっても許されるのなら、観客を入れた試合も行えると考える。
これ以外の理由で無観客を続けている自治体もあろうかと思うが、選手・コーチらがチェックシートを提出するのに観客はしなくてよいというのは理屈が合わない。
やはり無観客はもう少し続くと、覚悟しなくてはいけないだろう。
(了)
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