FIBA-OQT決勝「チェコ対ギリシャ5」~控え選手の見事なポケットパス~
2019年ワールドカップで躍進し、東京五輪でも存在感を見せたチェコ代表は高確率の3Pシュートを武器としています。
見事なトランジションオフェンスの存在があることは、これまでの記事にも記載したとおりです。
同時に、前回の記事でも紹介したとおり、非常に見事なハーフコートオフェンスが存在します。
今回も、ピック&ロールを仕掛けた際の華麗なパススキルに着目して、一つの事例を紹介していきたいと思います。
高確率の3Pシュートの裏側には、高いパスキルの存在が良い影響を与えているはずです。
1、構図
2、流れ
控えガードである#19オンドジェイ・シェナル選手がトップの位置でピック&ロールを仕掛けます。
元々のボールマンディフェンスも食らいつくと同時に、スクリナーのディフェンスもプレッシャーを与えます。
センターのディフェンスは、スティールすべく前方に手を伸ばしてプレッシャーを与えます。
スクリナーディフェンスのプレッシャーに対し、一度ボールを上に掲げます。
ディフェンスから遠ざける意図や、上方向のパスを狙う意図もあったかもしれません。
元々のボールマンディフェンスは、右手では上方向をチェックし、左手は下方向のパスコースを潰しています。
しかしその後、上方向から右手でバウンドパスをし、見事にスクリナーにパスが通りました。
元々のスクリナーのディフェンスも必死に戻りますが、スクリナーにボールが渡る瞬間に、元々のマークが間に合わないことが予想されるシチュエーションが演出されました。
画面手前のディフェンス選手は、数的不利を自覚しながらもボールマンとリングを結ぶラインにマークをせざるを得ません。
さもなければ、そのままレイアップやダンクシュートに持ち込まれてしまうためです。
ボールを受け取ったスクリナーは、画面手前の味方がノーマークであることを見逃しませんでした。
ディフェンスの位置を察知し、的確なパスを供給します。見事にノーマークの3Pシュートが演出されました。
3、まとめ
現在は、世界各国の様斬なオフェンスプレーをインターネットの映像で確認することができます。
しかしどのプレーも、プレーを遂行する能力が無ければ意味はありません。
今回の事例もプレーとしては非常にシンプルですが、奥深い攻防が潜んでいます。
また、もしギリシャ代表のプレッシャーディフェンスに対してスクリナ―の選手にパスを出せなければ、成立しなかったプレーです。
ハンドリングの練習等で、ドリブルの練習をされるケースが非常に多いです。
もちろんパスもハンドリングがベースとなりますが、実際のゲームでのパフォーマンスアップをさせるためには、パススキルの探求やパススキルを意識した上でのハンドリング練習も欠かせないスキルといえる事例ではないでしょうか。
(参考)オンドジェイ・シェナル選手のハイライト集
FIBA-OQT決勝「チェコ対ギリシャ4」Hedgeに対する華麗なパス展開
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株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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