【片岡編集長のプレイブック】スピードのミスマッチを有効活用する為の方法『パスを戻す』
前回の投稿では、ミスマッチに対して攻めるプレーを紹介しました。今回も、日本代表女子チームの素晴らしい判断を紹介します。
4連覇を成し遂げたFIBAアジア選手権にて、日本代表チームの本橋菜子選手はMVPを獲得しました。特に、決勝戦の終盤での連続得点は圧巻でした。ハイライト映像でも、様々なシーンを見ることが出来ます。
本橋選手は、そのスピードやフィニッシュスキル、高確率の3Pシュート力が広く知られています。本人の脚力やボディバランスは勿論ですが、自分が攻めるポイントを見逃さずに、個人としても、チームとしても的確に攻めている事が活躍に繋がっていると感じています。
前回の記事では、スピードのミスマッチに気が付いて、味方の選手もドライブインに備えてスペースを保っているという事を紹介しました。
他にも、女子代表チームの試合を見ていると印象的な場面があります。それは、ドライブをしやすい状況を作る為、意図的にパスを戻すという発想です。
この部分だけを見ると、なんてことの無いパスの往復になります。しかし、高田選手も、本橋選手も、スピードのミスマッチが発生している事に気が付き、ここを攻略する事で共通の見解が存在しています。
パスを戻してもらう事で、ボールを貰った瞬間の縦のズレを上手く活用し、一気にゴール下へと迫ります。また、チームによっては、パスが回った瞬間にヘルプポジションへの移動や、他の選手とマッチアップを変更し、スピードのミスマッチを減らす事にも意識が回ります。
ここで、高田選手が、再びボールを戻す事で、DFにとっては後手に回ります。お互いに状況を理解している必要がある為、意思の疎通では難しい部分もあります。見た目以上に非常に効果的なコンセプトになります。この戦術は、PnRで相手チームがSwitchをしてきた際にも活用される手法です。
似たような場面は、中国との決勝戦で頻繁にみられます。下記の動画では、ボールをレシーブした瞬間にはドライブンインは出来ませんでしたが、意図的にパスを戻している事が伝わってくる場面です。
ビーレジェンドプロテイン「スポーツ&ウェルネス」の 詳細はこちら