2019/02/06 (更新日: 2019/03/20)

【小谷コーチの分析バスケ】チームが好むゲームのテンポを読み解く方法とは？

データ・情報小谷究戦術指導法

こんにちは！小谷究です。

私は現在、流通経済大学スポーツコミュニケーション学科で助教を務めています。

また、同大学バスケットボール部を指導しています。

【ゲームの最終スコアからチームが好むゲームのテンポを読み解く】

ランニングスコアには、ゲームの最終スコアが記録されています。

一試合のランニングスコアのみで判断することは危険ですが、数試合分のランニングスコアを得られるのであれば、ゲームの最終スコアからチームの特徴を読み取ることができます。

Bリーグ2017-18シーズンの1チームの1試合平均得点はB1、B2ともに77点になります。

また、2018年の関東大学リーグ戦1部リーグでは74.4点になります。

試合時間が48分のNBAを除き、FIBAルールの40分でゲームが行われる大会では、1チームの1試合平均得点が70点から90点の間に収まります。

この70点から90点を基準にしてゲームの最終スコアを分析します。

チームの1試合平均得点が100点近辺に達していれば、そのチームはファストブレイクやアーリーオフェンスといった速い攻撃を展開する傾向にあることが考えられます。

また、ディフェンスを高い位置から仕掛けてくる可能性もあります。

一方、チームの1試合平均得点が60点近辺にとどまっていれば、ショットまでの時間を長くかけるディレイドオフェンスのように遅い展開を好み、パターンオフェンスを多用するチームであることが予想されます。

バスケットボールは相手チームより多く得点を獲得したチームが勝利するゲームであることから、リーグの中で順位の高いチームは平均得点が高くなり、順位の低いチームは得点が低くなることが考えられますが、それでもチームの1試合平均得点が100点や60点付近にある場合はチームの特徴を示しているといえるでしょう。

とくに、順位の低いチームの1試合平均得点が100点付近に達している場合や、順位の高いチームの1試合平均得点が60点付近にとどまっている場合は、よりチームの特徴を示しているといえるでしょう。

このように、相手チームの好むゲームのテンポを把握しておけば、相手の好むテンポに持ち込ませないように対策を練ることができます。

例えば、相手チームがファストブレイクやアーリーオフェンスといった速い攻撃を展開する傾向を示していれば、自チームのショット時にオフェンスリバウンドに入らず、5人全員がバックコートに戻ってディフェンスを整え、相手チームがファストブレイクやアーリーオフェンスを展開できない状況を作るといった対策が考えられます。

さらに、プレスアタックの準備も必要になるかもしれません。

一方、遅い攻撃を展開する傾向を示していれば、高い位置からプレスディフェンスを仕掛け、速い展開になりやすい状況、さらには通常のエントリーが困難な状況を作るといった対策が考えられます。

さて、皆さんなら、このような傾向を示すチームに対してどのような対策を立てるでしょうか。

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