【梅原トレーナーのからだづくり哲学】米トレ会議2018

スキルアップ トレーニング 梅原 淳 育成法 食トレ

2018年4月初旬、京都の府立高校において「米を食べるトレーニング」の会議が開かれた。

名門男子バスケットボール部の復活を目指し、親御さんたちにも集まっていただいて皆で明日のチームのために知恵を出しあった。

體づくりの重要な取り組みの一つとして、家庭の食事を正していきましょうと数年前からチームに投げ掛け、この提案を真剣に聞いてくれる同い年のバスケ部監督が快く応じてくれて、昨年春に第1回の米トレ会議が開かれた。

昨年はまず、現在の運動量に適した食事をとることを目的とし、食べられない選手も少しずつ胃袋を広げていきましょうと「食べるトレーニング」を提示した。

会議で食事の内容を何人かに聞いていくと、すでに十分に食べている選手の場合は、いつも弁当にプラスおにぎりとかパンやゼリーを補食してると話していた。

これは「量が足らない」「栄養が足らない」と體が自然と反応しているということなので、このような選手はまったく問題がない。

さらに量を増やしていっても、難なく食べられるはずだ。

あまり食べていないと答えた家庭では、手持ち弁当ではなくコンビニやスーパーで加工食品を買っているケースがあった。

内容も、食べる行為が楽なパン食・ジュース・お菓子であり、その割合がご飯を沢山食べる家庭より多いように見受けられた。

監督が学年を問わずランダムにお母さんたちに質問していたが、やはり食べている家庭は怪我をせずいつも元気に走っている顔ぶれであり、食べられないと答えた家庭はトレーニングで伸びが悪く、走ってはすぐにスタミナが切れ、どこそこが痛いとよく練習を休んでいる選手たちだ。

米を食べることから始める

そこでまず、主食を米にすること、その米をたくさん食べることからスタートした。

具体的な取り組みとして、(1)一食三合を目標として各家庭で少しずつ量を増やしていき、(2)チームでも監督が一升炊きの炊飯器を4つ購入して、練習の後に茶碗一杯を食べて帰ることを始めた。

私はおおよそ二ヶ月に一度くらいで訪問しているので、その際には選手に今の様子を聞き、実際に弁当を見て写真も撮り、口酸っぱく話をした。

それから一年が経とうかという今年二月訪問の際、監督が素直な印象と目に見える成果として「怪我で練習を休むことが明らかに減った」と仰った。

継続は力なり、長い目で見てコツコツ取り組んだ実りである。

その昨年があったからこその二年目、また同じ時期に新入生も交えて次なる米トレのステージに入る。

昨年の積み上げがあるから今年はさらに一歩前へ進める。

昨年同様、栄養についての具体的な知識はトレーナーさんからお話ししていただくこととし、私からは三合を食べるために弁当箱の大きさを2Lタッパーにすることをお願いした。

またそのタッパーにぎりぎりまで米を詰めるので、おかずは別の入れ物にすることも。

とにかく2018年は、決めた目標をクリアする年にすることを、皆で一緒に確認した。

どうすれば食べられるか

頑張ろうとするけれども、なかなか量が増えていかないという人には、このような提案をしてみた。

「家で食べる時に、いつものお茶碗でおかわりするのではなく、一度に三合分をどんと目の前に置いて、それを完食するよう頑張ったほうが早く食べられるようになりますよ」

たとえ残してしまっても構わないので、目標まで後どれくらいかを目で見て把握して、毎日少しずつ残りを減らしていく方法で食べることで、「さらにもう一杯」とするよりも幾分は行動を起こしやすい。

ご飯を食べられない人というのは、前述したようにお菓子やパンといった加工品の味の強いものが好きでそれに依存していたり、またそのために主たる食事を面倒に思ってしまったりしているので、目の前にノルマがあったほうが覚悟も決まる。

そもそも毎日汗だくになって走り回り筋力トレーニングも目一杯やっている高校生の男子が、コンビニの菓子パンやジュースなんかで物足りるはずなど絶対にない。

慣れで本人はさほど空腹に感じなくなっているとしても、體は間違いなく栄養不足に陥っているのだ。

それだからすぐに疲れてしまったり、その回復が遅かったり、怪我が多かったり、インフルエンザなど風邪をひきやすかったりする。

練習を頑張っても體づくりを頑張っても、いっこうに芽が出てこない。

じつはここで既に、食べないことの悪影響が出ているのだ。

不要なサプリメントは摂取しない

この食べるトレーニングをおこなう上で、もう一つ二つ、隠れたテーマがある。

テーマというか仕掛けのようなものだが、まず先にお話ししたように外食をしないようにするために、ご家庭で親御さんがつくる弁当を食べることを決まりとする、ということ。(※実際には決まりとは言っていなくて、作ってもらいなさいと促しただけだが)これは親子の繋がりを改めて深く育むための、ささやかなお節介とも言えるかもしれない。

試合を観にきて、我が子の活躍を見たいというのは誰しも同じだ。

ただなにもサポートせずして、あの作戦がどうとか教え方が悪いとか起用のしかたがどうなどと、チーム内部にたいして口を挟んでくるケースもある。

そんなことをしたら我が子を親自らが貶めることになってしまうので、親が手伝えることを考えてもらったときに、やっぱりメシしかないだろうという結論に至った。

ご家庭には、子供が心身とも健やかに成長するためにご飯でしっかり育ててもらって、そうすれば必然的にコンビニやスーパーで加工食品を買うことは少なくなると考えた。

さらに主食がパンに偏っている人を米に変えることも、裏の狙いの一つである。

精製された小麦が體に悪い影響を及ぼすことは、今や広く知られている事実であり、たとえ捕食であってもパンではなくて米を食べるように勧めている。

つまり米トレをまず頑張ってクリアしようと思えば、余計なことは一切できなくなるので、これまでのなんとなくのつまみ食い(パン・菓子・ジュース)とか、プロテインにいたってもここでは「飲む必要はない」としている。

今年2年目は、年度初めの4月に加え、できれば9,10,11月あたりの折り返しでもう一度「米を食べるトレーニング」会議を開きたいと思っている。やって難しいことは何もない。

しかし人間、手間が増えることを煩わしいと感じ、気がつけば見過ごしいつも疎かにしてしまうのだ。

不協和音の根源であるコミュニケーション不足も、ここから膨らんでいくのだろうと思う。なにか新しいことを考え出したり始めたりすることに、億劫な人も多いと思う。

それを振りほどいて立ち上がらなければ、得られるものはただのひとつもない。簡単に大きく事は動かないが、遠い先の夢の実現に向けて、地道にちょっとずつ次なる一歩を踏んでいこう。

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(この項、了)

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この記事を書いた人梅原淳梅原 淳
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。
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