小谷コーチの【バスケットボールを分析しよう！】オフェンスリバウンド獲得の重要性
バスケットボールを分析しよう！
こんにちは！小谷究です。
私は現在、流通経済大学スポーツコミュニケーション学科で助教を務めています。また、同大学バスケットボール部を指導しています。
このメルマガでは、バスケットボールを分析する方法について一緒に勉強して行きましょう。
【オフェンスリバウンド獲得の重要性】
前回まで紹介してきた「PPP」、「ORtg」、「DRtg」、「NetRtg」は「POSS」を用いて数値を導き出します。
ここで扱う「POSS（Possession）」はチームやプレーヤーがボールを保持している状態のことで攻撃権の回数を意味し、攻撃回数と区別しています。
「POSS」の計算式をおさらいすると、フィールドゴールを放った回数である「FGA」とフリースローを放ったオフェンス回数として扱う「FTA」に0.44を乗じた数値を足した数値から、オフェンスリバウンド獲得数である「OR」を引き、ターンオーバー数である「TO」を足して導き出します。
POSS ＝ FGA ＋ FTA × 0.44 – OR ＋ TO
このように、ここで扱う「POSS」は「OR」を引きますが、「POSS」として示されているもののなかには「OR」を引かない、いわゆる攻撃回数を示したものもあります。
オフェンスリバウンドの獲得は攻撃回数を増加させることから「FGM」や「FTM」を増加させる可能性が高まります。
したがって、ここで扱う「POSS」は「OR」を引きますが、オフェンスリバウンドの獲得は勝つ可能性を高める要素のひとつになります。
【オフェンスリバウンド獲得を評価・比較する】
オフェンスリバウンドの獲得は「OR」で確認できますが、「OR」の多寡で評価や比較をすることはできません。
なぜなら「OR」が発生するには自チームのシュートが外れる必要があり、その本数は一定ではないからです。
自チームのシュートが外れた場合は自チームのオフェンスリバウンド「OR」か、相手チームのディフェンスリバウンド「OppDR」になります。
したがって、「OR」と「OppDR」を足した数値が、ほぼオフェンスリバウンドを獲得できる機会の数になります。
この数値で「OR」を除してオフェンスリバウンド獲得率である「OR%」（ORB%）を導き出します。
ちなみにディフェンスリバウンド獲得率である「DR%」（DRB%）も同様に「DR」と「OppOR」を足した数値で「DR」を除することで導き出されます。
OR% = OR / (OR + OppDR)
DR% = DR / (DR + OppOR)
Bリーグ2018-19シーズンファイナルにおける千葉ジェッツは「OR」6、「DR」30、アルバルク東京は「OR」14、「DR」35であることから、千葉ジェッツの「OR%」14.6、「DR%」68.2、アルバルク東京の「OR%」31.8、「DR%」85.4が導き出されます。
千葉ジェッツOR% = 6 / (6 + 35) = 14.6
千葉ジェッツDR% = 30 / (30 + 14) = 68.2
アルバルク東京OR% = 14 / (14 + 30) = 31.8
アルバルク東京DR% = 35 / (35 + 6) = 85.4
このように、「OR」、「DR」を獲得率で表すことでリバウンドについてより性格に評価・比較することが可能になります。
「OR%」、「DR%」は通常のボックススコアに少し手を加えるだけで導くことができるので読者の皆さんも是非試してみてください。
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