小谷コーチの【バスケットボールを分析しよう!】「Pace」を分析する

オフェンス シュート スキルアップ データ・情報 トレーニング 小谷 究


こんにちは!小谷究です。

私は現在、流通経済大学スポーツコミュニケーション学科で助教を務めています。また、同大学バスケットボール部を指導しています。

このメルマガでは、バスケットボールを分析する方法について一緒に勉強して行きましょう。

前回まで扱ってきた「PPP」のなかで触れた「POSS(Possession)」はチームやプレーヤーがボールを保持している状態のことで攻撃権の回数を意味します。

したがって、ここでは攻撃権の回数と攻撃回数とを分けて話を進めます。

「POSS」はフィールドゴールを放った回数である「FGA」とフリースローを放ったオフェンス回数として扱う「FTA」に0.44を乗じた数値を足した数値からオフェンスリバウンド獲得数である「OR」を引き、ターンオーバー数である「TO」を足して導き出されます。

Bリーグなどの現場では、ボックススコアの数値からポゼッションの推定値を導き出すのではなく、実際にポゼッションを数えて「POSS」を導き出しています。

POSS = FGA + FTA × 0.44 – OR + TO

「POSS」はファストブレイクやアーリーオフェンスを好む速いテンポでオフェンスを展開するチーム同士での対戦では多くなり、ディフェイドオフェンスなど比較的遅いテンポでオフェンスを展開するチーム同士の対戦では少なくなる傾向にあります。

したがって、「POSS」によってゲームがどのようなテンポで進行したのかというペースを把握できそうです。

しかし、「POSS」の計算式には時間の要素が含まれていません。

通常、FIBAルールのゲームは40分で行われますが、オーバータイムになれば5分加算されゲームの時間は45分、ダブルオーバータイムでは50分とゲームの時間は一定ではありません。

ゲームの時間の増加にともなって「POSS」も増加するため、「POSS」でゲームのテンポを把握するのはいささか危険です。

そこで、ゲームの時間を40分に合わせた場合の「POSS」である「Pace」を利用します。

「Pace」は以下のように導きます。

まず、チームののべプレー時間、つまりチームの全員の「MIN」を足し合わせた値「TmMP」(FIBAルールで延長戦がなければ200)をコート上に立てる1チームのプレーヤーの人数である5で除することでゲームの時間が導き出されます。

先ほども述べたように通常、FIBAルールのゲームは40分で行われ、延長すれば45分、再延長では50分となります。

このゲームタイムを対戦する2チーム分にするため、ゲームタイムに2を乗じます。

こうして導かれた数値で自チームのポゼッションである「TmPOSS」と相手チームのポゼッションである「OppPOSS」を足した数値を除します。

これにFIBAルールにおける通常のゲームの時間である40を乗ずることで「Pace」が導き出されます。

この「Pace」により延長したゲームであっても通常の40分のゲームと同じ基準でゲームのテンポを把握することができます。

Pace =(TmPOSS + OppPOSS)/{2 * (TmMP/5)}* 40

ただし、本稿で扱っている「OR」を引いた計算式の値を「Pace」とし、「OR」を引かない計算式の値を「POSS」として扱ったり、以下の計算式のように「POSS」をゲームの時間で除して1分あたりの「POSS」に40を乗じた値を「Pace」として扱うこともあります。

今後、「POSS」と「Pace」の定義や計算式は統一されていくでしょうが、現時点では計算式を確認してから数値を分析する必要があります。

<簡易的な「Pace」の計算式>

Pace =( FGA + FTA × 0.44 – OR + TO) / ゲームの時間 * 40

次回は「Pace」の実際について見ていきましょう。

 

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