【梅原トレーナーのからだづくり哲学】 食べるトレーニングを考えよう!「日本の果物でみなぎる」

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未来輝くバスケットボーラーのあなた、アスリートの體づくりと健康づくりに果物を食べませんか。

果物の糖は果糖といって細かく分解されたものです。時間がさほど掛からずに、比較的運動へダイレクトに作用する種類のものなので、練習量の多い選手、高強度のスポーツ種目の選手は果物をよく活用します。

お米や麺、パンよりも、糖分解されて血液へ入るのが早いので、長時間の練習時にも、休憩の際に果物をとることが有効です。

ただし細かい糖ということは、體への刺激と負担は大きいので、運動をしていない場合は摂り過ぎに注意が必要です。

私は果物を有効的に體づくりの活力としてもらいたいのと、一方で食べる理由がときに悪い面として出ている実態があるので、一度ここでも話そうと思っていました。

果物を食べるというと、どのような状況をイメージしますか?

もしかすると果物はデザート、つまりお菓子と一緒で、甘いから美味しいからとご馳走として食べる、という感覚ではないでしょうか。

私はぜひアスリートのあなたには、ご自身の心身の成長のために食べていただきたいと強く願います。

すべての果物が甘さ勝負となっている

果物というのは體への影響を考えて上手に使うと、私たちの健康を力強く後押ししてくれます。

昨今は甘いこと(糖度)が果物のステータスのようになってしまいましたが、申し上げたように自分へのご褒美とかご馳走としてのデザートと位置づけていることがその原因でしょう。

悪いと言っているのではありません。誤解の無いようにお願いします。

自然に出る甘さというものがありますが、それを超えて人工的に食品添加物で糖度を増したり、舌で感じる甘みを作り出したりすることを多くの、いや本当は世に出回るほとんどの果物で行われています。

栽培時に甘くなるような液体を吸わせることや栄養剤を使うことは、デザート的にたくさん買ってもらうための有益な手段です。

いまはどんな果物であっても、なぜか甘さが重要つまりそれが良い品物の証という認識になっています。本来酸っぱいはずのレモンやオレンジなど柑橘類でさえ、甘さを強みにして売っていますね。

意図的に作り替えたものということですから、まずそのような果物を食べることを一度考えていただきたいのです。本当にあなたの體づくり、競技力向上に寄与するでしょうか。

體を守るためにあった果物

果物の本来の栄養、體への恵みをしっかり活用させてもらえば、あなたのスポーツライフはさらにより良いものになるでしょう。

先ほど果糖というエネルギー要素としての果物について触れましたが、果物にはもっとビタミンやクエン酸など、體に活力を与えてくれる様々な栄養が含まれています。

昔の日本では、風邪の手当として果物の力を借りていました。熱を持っている部位によってリンゴを食べるとかミカンを食べるなどと使い分けられていたそうです。

また柑橘類は魚や肉の脂を分解するために、それらと一緒に食べられていました。今も名残で、焼き魚や唐揚げの付け合わせにカットされた柑橘類が添えられていますね。

舌で感じる味ではなく、體の中に入る成分の中和のために使われていたのです。丈夫な體をつくることが生き物の本能というか、生きると言うことの原則ですから、私たち人間においてもそれが「食」の本来の在り方ということです。

アスリートこそ果物を

私はこれをアスリートの食に意識的に取り入れたら大いに役立つのではないか、いやそうであるに違いないと確信しました。

現代の文明が進んだ生活では、それほど體が丈夫でなくとも、比較的健康に生きていけます。すこぶる健康ではなくとも、普段は不調を強く気にすることなく生活できます。

その中で運動をするということ、とくに競技スポーツをするアスリートは自分の実力を伸ばすために日々、體をクタクタにして頑張っています。體を酷使していますので、充分に体調には配慮する必要があります。

体調が満足でなければ、運動能力や競技スキルが伸びていかなくなってしまいます。

そこに果物を活用することは、まさに視点が合致するということで、積極的に果物で體づくりをしてもらいたいと思っています。

食べるなら、どんな果物が良いでしょうか。

日本の冬に生る果物

私が一番に推すのは、日本に昔からあるリンゴとミカンです。

世界的に流通が発達して、今や世界の裏側から、さらには日本人に馴染みのない国からも、様々な果物が届きスーパーマーケット等に並んでいます。

これらの多くは南国のものです。スーパーに並んでいるものをよく見てみると、南半球や赤道近くの暑い地域の果物がほとんどなのが分かります。

これらは水分が多く含まれ、さらに暑さから體を守るために体内を冷やす作用のある成分が多く含まれています。太陽の強い光を浴びれば糖度も増します。

産地の人間がその暑さの中で採れる果物を食べることは、その人たちの體を元気にしますが、気候(気温・湿度・季節の移り変わり)の違う日本人が食べることは、彼らとは別の作用が働く可能性があります。

西日本は暑いとか夏は日本も暑いと言いますが、それと根本的に南米やアフリカ、東南アジアなどの気候は大きく異なります。

今の日本人は南国産の水分の多い果物ばかりを食べる傾向にあること、人工的な甘さに魅せられていること、それらがかえって体の不調を招いているので、私はお勧めしません。

(それらが毒と言っているのでは決してありません)

體が不調のとき、また肉体的な労力が多いときに、それを陰から和らげるように働いてくれるのが、例えば日本のリンゴとミカンです。

古くから日本の気候で育つ果物として、代表的なものと言えるでしょう。

輸入果物は薬まみれ

肉や魚のタンパク食による體の酸化を食い止めるためには、柑橘類も摂ると良いと思います。

やはり日本の柑橘類、外国原産のレモンやライムではなく、カボスとか柚、スダチ、橙などをお勧めします。

それは海外から輸送されてくるものは皆、運ばれる間に腐ったり虫に食われてしまわないよう薬をかけられているからです。

いまは空から早く届けられるようになりましたが、私たちがスーパーで手にする果物が船便か航空便かをどうやって判別できるでしょうか。

航空便だから薬剤の量が少ないとも言えません。

さらに輸入用に作っているものはとくに大量生産ですから、病気が広がらないよう農薬も大量に使われ、かつ肥料で発育を促進させます。

そのような経緯も含めて考え、ぜひ日本の果物を食べてみてはどうでしょうか。

昔からある品種

写真は紅玉というリンゴです。

夏の終わりから秋口の9月頃に、短い時期だけ出回る古い品種です。リンゴの自然な甘みがあり、さらに酸味も出ます。もちろんレモンのように顔が歪むほどの強さではありません。

リンゴは東北地方に多くあり、冬の果物とも言えます。寒い季節に風邪をひいた際には、このリンゴで内臓に活力を与えて回復させましょう。大いに役立つと思いますよ。

冷たくしないで常温で食べるか、少し温めても良いと思います。

体の冷えは禁物です。体内を温めることを大原則にして、日本の冬の果物を有効的に食べましょう。

今回は字数が普段の1.6倍くらいになってしまいました。その分詳しくお伝えできたと思います。

食にまつわる質問があれば、どうぞ遠慮なくお寄せください。

(了)

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この記事を書いた人梅原淳梅原 淳
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。
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