スペインピック&ロールを巡る攻防7~日本vsオーストラリア戦より~

オフェンス戦術 スキルアップ 片岡 秀一

女子アジアカップ準決勝、日本対オーストラリア戦を題材として7記事目となります。引き続き、スペインピック&ロールの攻防を取り上げます。

今回も、以前の記事でも取り上げたプレーと同系の形が題材となります。ただし、前回同様に相手チームの対応方法が異なります。

対策を講じてくるディフェンスに対しての日本代表チームのオフェンスを考察していきます。

日本女子代表チームは、バスケットの局面を下記の5項目で分類しているようです。

  • オフェンスに入る→キャスティング
  • チャンスを作る→クリエイト
  • チャンスができた→チャンス
  • アタックする→ブレイク
  • シュートをする→フィニッシュ

今回は、「オフェンスに入る(キャスティング)」と「チャンスを作る(クリエイト)」の場面となります。相手チームが「チャンスを作らせまい」としたディフェンスのスキを突き、別のチャンスを狙ってプレーが進んでいきます。

1、プレーの構図

2、プレーの流れ

ポイントガードである1番・宮崎早織選手よりインサイドの5番・オコエ 桃仁花選手にパスが出されます。
その後、4番・中田珠未選手が宮崎選手にバックスクリーンをセットします。
宮崎選手はリング下を通過し、パスをしたサイドのコーナー付近へと向かいます。

パスを受けた5番・オコエ 桃仁花選手に対し、2番の選手がスクリーンを仕掛けます。
その後、反対サイドへと駆け抜けていきます。

スクリーンを受けた5番・オコエ桃仁花選手に対し、最初にパスをした1番・宮崎選手がボールを受けるべく、動きます。
しかし、X1の選手はそのプレーをさせまいと、宮崎選手の進行方向を防ぎます。(*1)
この局面で、1番・宮崎選手は、進行方向を変えます。反対方向に動くことで、ディフェンスからフリーになりボールを受けました。
X1がマークに戻る局面にて、ミドルライン側へドライブを試みます。(*2)

残念ながら、この局面のドライブインではリング近くまで到達できませんでした。
その他の選手もゴール下へ飛び込みますが、魅力的なパスコースはありませんでした。最後は1対1を選択し、相手ディフェンスにブロックされてしまいました。

3、まとめ

残念ながら、今回は得点に至りませんでした。
また、最終的なシュートも得点が期待できるシチュエーションとは遠くなりました。

もし、下線部*2の局面で、ミドルライン側ではなく、ベースライン側にドライブインを選択していれば、非常に素晴らしいシュートに繋がった可能性があります。

映像だけを見れば、裏を突いたつもりが、相手にとって守りやすい状況となりました。しかし、紙一重のプレーだったといえるのではないでしょうか・

もし、*1で強引にボールを受けに行ったとしたら、ここまでの得点チャンスには近づけなかったのではないでしょうか。

また、ショットクロックの残り時間を鑑みて、一度トップ方向に戻った判断も秀逸だったと思います。

このような場面で、苦し紛れのシュートや難しいパスを選択し、相手チームに逆速攻をされてしまうケースは多いものです。

「チャンスを作る(クリエイト)」の局面で別のチャンスを見逃さず、それすらも潰された場合に無理をしないことで、相手チームの逆速攻を防ぎ、最低限のオフェンスを遂行しました。

このように、リスクを冒すべき場面、そうではない場面を見極めている高い判断能力こそ、接戦に勝利し5連覇を成し遂げた要因の一つといえるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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