日本代表選手に学ぶ、ローサイズ選手の生きる道①

スキルアップ 練習法 関野 日久

2020年8月、日本代表男子バスケットボールメンバーの平均身長は195.2cm、体重は93.6kgです。
2mを超える選手も複数おり、多くの選手が190cm以上で形成されたチームの中に、ただ1人167cmと日本人の平均男性よりも少し身長の低い選手が在籍しています。それが富樫勇樹選手です。

富樫選手は代表でも中心のメンバーですが、圧倒的に体格で劣っています。
そんな富樫選手がどのようなプレーで日本屈指のポイントガードとして代表でも活躍する選手となったのか、という視点から、低身長(ローサイズ)な選手の活路を見出していきましょう。

富樫選手から見るローサイズ選手に必要とされる能力①ドライブからのフィニッシュ

リングが高い位置にあるバスケというスポーツでは基本的に背が高い選手が有利とされます。
しかし、ローサイズのアウトサイド選手が外でボールを持ち、それにビッグマンがマッチアップしているときそれはどちらにとってもミスマッチと言えます。
このとき、ローサイズの選手にとってスピードが非常に有利になります。
しかし、ビッグマンは抜かれてもリング近くでのブロックやシュートへのプレッシャーを狙っているので抜かれたら終わりというわけではありません。

ある意味、ローサイズの選手がドライブで自分のマークマンを抜いてリングにアタックできることは絶対条件です。
そこからフィニッシュや、パスでのチャンスクリエイトができるかどうかが優秀な選手であり、どちらにおいても必要なのは「ディフェンスを引きつける」ことです。
ディフェンスを引きつけるためには自身のフィニッシュ力が高い必要があります。

富樫選手の場合はブロックやチェックのプレッシャーをかわしてリバースレイアップへ持っていくことや、フローターを非常に得意としております。
フローターの技術は凄まじく、中学生時代から全中でも得点を重ねました。
フリースローライン程度の距離から打つことができ、早めのカバーが必要なのでディフェンスは収縮しやすく、他選手のチャンスも生み出します。
ガードの得点力の高さは相手ディフェンスにとって脅威となります。

また、富樫選手の場合自身のフィニッシュ力や相手のディフェンスの様子から、無理にフィニッシュには行かずゴール下をドリブルでカットし、相手ディフェンスを掻き乱すなどの技術も使います。
ドライブ、フィニッシュはボールスキルですが、そういったゲーム感や視野の広さ、IQも必須です。

富樫選手から見るローサイズ選手に必要とされる能力②シュート力

冨樫選手はB1史上初めて500本の3ポイントシュートを成功させました。
スピードやドリブル、パスやゲームメイクのスキルはもちろん日本トップレベルですが、シュート力もトップレベルです。
ドライブからチャンスをクリエイトするためにはアウトサイドシュートの決定力でディフェンスを釣り出すことが有効であり、3ポイントを決めることができるというのは大きな武器です。
また、ゴール下に切り込むとサイズのある選手よりもどうしてもブロックを受ける可能性は高まります。
そのため、どのエリアからも高確率のシュートを打てる必要があります。

特に、3ポイントやディープの3ポイントはプレッシャーもかけにくい場所なので打ちやすい場所です。
従って、高確率で決めることさえできればローサイズ選手にとっては非常に大きな武器になります。

おわりに

今回は、富樫選手のオフェンスの特徴からローサイズ選手に必要な能力と試合での活躍方法からローサイズ選手の活躍方法を見出しました。

しかし、ローサイズ選手特有の不利な状況などが存在することも事実です。

次回はその弱点を考察した後、富樫選手のプレー、NBA選手のプレーから弱点の防ぎ方、ローサイズ選手に必要な総合的な力を纏めていきます。

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この記事を書いた人関野 日久関野 日久(セキノ ハルク)
関西1部リーグの大学を卒業後、現在は実業団でプレーしながらプレイヤーとしてのレベルアップを目指しています。このブログでは、高校・大学・社会人、それぞれのカテゴリーでのトップレベルの選手とのプレーの中で自身が経験した、バスケ選手としての高みに行く方法を発信していきます。
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