小谷コーチの【バスケットボールを分析しよう!】プレーヤーを総合的に評価する

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こんにちは!小谷究です。

私は現在、流通経済大学スポーツコミュニケーション学科で助教を務めています。また、同大学バスケットボール部を指導しています。

このメルマガでは、バスケットボールを分析する方法について一緒に勉強して行きましょう。

【プレーヤーを総合的に評価する】

前回まで紹介してきた「POSS」、「Pace」、「PPP」、「ORtg」、「DRtg」、「NetRtg」、「OR%」、「DR%」は主にチームを評価する際に有効となる指標です。

今回はプレーヤーの評価に戻ります。

プレーヤーを評価する項目として、まず、ボックススコアの各項目があげられます。

ところが、ボックススコアの各項目独自では役割の異なるプレーヤー同士を比較することが困難になります。

そこで、これまで「eFG%」や「TS%」などを紹介してきました。

これらの指標は、各シュートの割合が異なるプレーヤー同士を比較することができます。

しかし、プレーヤーの役割はシュートだけではありません。

得点が少なくとも、リバウンドを多く獲得したり、アシストを量産したり、ブロックが得意だったりとシュートだけではプレーヤーを総合的に評価することができません。

この問題を、幾分解決することができる指標としてプレーヤーの貢献度「EFF(Efficiency)」があげられます。

「EFF」では、まず「PTS」、「OR」、「DR」、「AS」、「ST」、「BS」をポジティブな指標として足し合わせます。

次に「FGA」から「FGM」を引くことでフィールゴール失投数、「FTA」から「FTM」を引くことでフリースロー失投数を導き出し、これと「TO」をネガティブな指標として足し合わせます。

このポジティブな数値からネガティブな数値を引くことで「EFF」が導き出されます。

EFF =( PTS + OR + DR + AS + ST + BS ) – {( FGA – FGM )+( FTA – FTM )+ TO }

 

【「EFF」の実際】

NBA2018-19シーズンにおける「EFF」のトップはヤニス・アデトクンボで、アンソニー・デイビス、ジェームズ・ハーデン、ジョエル・エンビード、カール・アンソニー・タウンズと続きます。

アデトクンボのNBA2018-19シーズンにおける各項目の1ゲームの平均は「PTS」27.7、「FGM」10、「FGA」17.3、「FTM」6.9、「FTA」9.5、「OR」2.2、「DR」10.3、「AS」5.9、「ST」1.3、「BS」1.5、「TO」3.7になり、「EFF」35.3が導き出されます。

EFF =( 27.7 + 2.2 + 10.3 + 5.9 + 1.3 + 1.5 )–{( 17.3 – 10 )+( 9.5 – 6.9 )+ 3.7 }= 35.3

 

「EFF」を用いることでボックススコアにおける個別の項目を統合して評価することができます。

しかし、それでもなおプレーヤーのパフォーマンスを構成する要素はボックススコアの項目以外にも数多く存在しており、「EFF」であってもプレーヤーを評価するには不十分であることに注意しなければなりません。

 

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