【片岡編集長のプレイブック】戦術18 トルコのSpain PnR
ワールドカップが開幕しました。
日本対トルコ戦では、トルコ代表チームの堅牢なDFに感動しました。
(本原稿執筆時点ではチェコ戦、アメリカ戦はまだ)残りの試合での日本代表チームの戦いや、そこからの発見や学んでいきたいと思います。)
さて、今回も、トルコ代表チームを取り上げたいと思います。
トルコ代表チームは、Zipperと呼ばれる動きから数多くの戦術やスペーシングを持っています。
その中の1つが、Spain PnR（スクリナーのDFにバックスクリーンをセットするプレー）です。
◆ZipperからのSpain PnR
今回は、プレーの解説の前に、もう一つの動画も確認して見ましょう。
◇プレーの解説
・ポスト（ローポスト、またはハイポスト）のスクリーンを活用してトップの位置へ移動をし、ボールをレシーブするプレーをZipperと呼びます。ここでは、PGの選手がドリブルで45度に落ち、Zipperでトップへパスコースを作る事からスタートします。
・トップへパスを供給と同時に、ボールサイドのセンター、及び、パスをした選手が並びます。センターはBall Screenへ、パサーはスクリナーのDFに背後からスクリーンをセットします。
・ここで重要となるのが、PFポジション選手の位置です。トルコ代表の場合、抜群のシュート力を誇り、日本戦でも猛威を振るった「4」イリヤソバ選手がボールサイドのコーナーに位置します。ここが、本プレーの特徴と言えるでしょう。ドリブラーが黄色のエリアに侵入した際、カバーに出ればイリヤソバ選手の3Pの餌食になる。そのまま、コーナーのDFを重視すれば、ゴールエリアを手薄にすることが出来ます。
最初の動画では、おそらく、「３」の選手は本来位置すべきポジションとは反対サイドにいたのではないかと思います。
ですが、直ぐにコールされたプレーの意図に気が付き、反他愛再度に向かいます。同時に、「４」のイリヤソバ選手もボールサイドに向かいます。
◇まとめ
Zipperの動きは、オフェンスのスタートとして非常に有益なプレーです。
特に、キープ力のあるPGがいるチームには、ウィングへとボールをパスするよりも、より安全、かつ、効果的に最初のスタートに入りやすいかもしれません。
そして、何よりも重要なのは、選手の特性に応じたスペーシングです。
コーチがフォーメーションを設計する際には、選手の特性を発揮できるスペーシングを考案する必要性がある事を改めて伝えてくれる素晴らしいオフェンスだと感じました。
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