【梅原トレーナーのからだづくり哲学】コーチがもらす弱音から見える希望なき未来
チームづくり組織づくりは骨の折れる作業です。
簡単に物事が進めば楽ですが、そんな環境にいる人はただの1人もいないのではないでしょうか。
自分の希望どおり望むとおり順風満帆で成長し結果を出せている人などいなく、誰しも険しい道を歩んでいます。
問題・課題はすべての人が背負っているものです。
特にコーチは、積極的にアクションを起こしていく必要があります。
問題解決への道はとにかく前へ進むことです。
今の己の悲惨な現状や苦しんでいる姿についていくら語っても、それは1mmたりと動くことはありません。
目の前にはドアが何重にも閉じていますが、次に次にこじ開けていくほかありません。
足の踏み場もありませんが、邪魔な瓦礫を取り除きながら自分で道をつくっていくしかないのです。
▼現実を吐露する裏にあるもの
現場を回っていると、チームを指揮するコーチたちから「今こんな状況で」「先はどうなるかわからないけど」「うちはこんなチームなので」といった言葉をしばしば耳にします。
チームづくりについて議論している中でのことです。
単に状況を説明してくれているだけならいいのですが、そうではないようです。
解決のために細かく自己分析しているのなら素晴らしいですが、それでもなさそうです。
会話の中にぼそっと一言、人によっては聞き流す程度のものかもしれませんが、私にはその人の本心が聞こえるようで、いつも気になります。
運動部の顧問・コーチたちと話をしていると、つまり何を言いたいのか?がよくわからない会話というのが結構あります。
問題解決や目標達成に向けて考えていく最中に、うだつの上がらない話ばかりされるので、一体どう進むもうとしているのかが一向に読み取れません。
そうなると私も「この人は前へ進む気があるのかな」となり、話がどんどん弱く暗い方向へ行ってしまいます。
▼現状に対するセルフ・アピール
未来のためにはこうやって好転させていく前進させていくというエネルギーが唯一必要なのであって、動こうとしないのであれば絶対に変わることはないし、こちらが手伝えることもありません。
解決するために何をしようと思うのか、また実際にいま何をしているのか、それについて微力ながら一緒に考えたりサポートしたりすることはできるでしょう。
しかし如何に現況がうまくいっていないかを延々話していても、立ち上がるパワーは沸くことなく、それはもれなく他人や環境、さらには社会を非難する姿勢へ向かっていくことにならないでしょうか。
「俺はこうやっているがそれ以上はどうにもできない」
これは、自分は正しく良いことをしているけれど他人がそれを壊している、ということですね。
「いくら努力しても周囲(会社)が認めてくれない」
つまりは会社や周辺の人間がけしからんって言っていませんか?
周りがこうだから、こう縛られているから、こんな害を被ったせいで・・・。
そのような思考は、自分で抜け出したり解決したりする力を奪ってしまうものです。
動けないのは外の力が作用していて、自分は縛られているからだと考えるわけですね。
でもそうすると、やっぱりその悪い状況に腰を落ち着かせてしまうことになるのではないでしょうか。
誰が原因だとしても、あなたの人生が良くなっていかないのは同じです。
それとも自分に原因が無ければ、不満な生活を受け入れても良いのですか?
▼未来へのセルフ・ヘルプ
結局、人のせいにしても状況は1mmも動かないのです。
それは「いかに自分の今が不運か、苦労しているか」 を延々話している人も一緒なのですね。
ようは恵まれていない、と言いたいのですから。
状況が好転するのは「私」自身がその解決策を探すもしくは計画して、実際に動いて自力でドアをこじ開けることでしか起こり得ません。
そのためには誰のせいとかどんな境遇とか、条件がこんなんだからと一切言ってはなりません。
それらをすべて取り払って、いまの現状からどう動いていくのか、ただそこだけを考えていくのみです。
良くなりたいのならば「こんな現状で」はやめましょう。なんとかしたい、何ができるか、どうにかして進みたい、そういう未来に向けての議論をしたいと思っています。
(了)
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