「筋トレを毎日してはいけないのか」トレーニングレポート No.128【梅原トレーナーのからだづくり哲学】
からだづくりを頑張りたいけど、思うように捗らないという人がいると思います。
その理由はやる気が出ないってことではなくて、万全な時間を取れずまたタイミングも作れないといった悩みを持たれているケースが、割と多いように見受けます。
生活リズム、スポーツ活動のリズムに馴染んでしまえばその悩みは解消されるのですが、日常的にプログラムのひとつに組み込むまでが意外と難しいようで、一度二度と省いてしまうことが重なっていきます。
しようと思っていたけどしなかった、明日にしようとスライドしたら翌日も結局しなかった、そんなことってけっこうありませんか?
続かない、優先順位が低い、前回の疲労が残っている、時間が押してしまったなど、日常的なよくある情況が影響してコンスタントに取り組むようになるまでがけっこう遠かったりします。
いわゆるトレーニングあるあるですね。
どうしてもそんなことが影響してしまう人は、それを現実的に解消するための方法はおそらくひとつしかありません。
技術練習の時間にそれを混ぜて、パートのひとつとして毎日行うことです。
練習内の一コマですから、時間はトレーニング専用の時間よりも短くなります。
全体がアップとダウン、準備と片付けも含めて3時間だとしたら、トレーニングのパートは10分とか20分程度の割合になってしまうかもしれません。
理想的にじっくり1時間半から2時間を使って筋肉を刺激することはできなくとも、それを追って「また今日もできなかった」となるより確実に実践することが成果をつくります。
それだと内容が乏しいし、筋ダメージの回復(超過回復)のセオリーから外れるのでは?と心配する声もあろうかと思います。
しかしそれを言い続けて「結局またしない」となってしまうわけですから、教科書どおり原則どおりに守ろうとしすぎないで、まず確実に実施することを念頭におきましょう。
実際に毎日トレーニングをおこなっても、それが無駄になることはありません。効果がないということもありません。
セオリーどおりに取り組んだとしても伸びないことだってあるのですから、必ずしも現在の研究が正解だとも言えないのです。どんな科学も万能ではありません。
運動生理学で言えば、週に一回のトレーニングで筋力が上がることもあるし、たとえば私が若い頃に面倒を見ていた高校女子チームでは、月に2,3回しかトレーニングをしていないのに、ベンチプレスの重量がなぜか伸びていきました。
しかも45kgとか50kg以上をわりと小柄な女子選手が上げているのです。これは特定の個人について言っているのではなく、チーム全体的な傾向でした。
話を戻して、学校生活およびクラブ活動においてからだづくりを日常的に取り入れることに苦慮している人は、毎日数十分程度の少ない時間で、技術練習の流れに紛れ込ませてトレーニングを行いましょう。
自体重のスクワットを50回程度でも毎日行うと筋肉がついていきますし、ところどころボールを持った練習の合間に腕立て伏せ20回を入れていくとか、そんなことでも実際に成果はあります。
伸びが少なくなれば、回数や負荷の強さを見合うように上げれば良いだけです。体力レベルによって効果的な負荷は変わりますので、ひとつの理論に囚われないようにし、またそれを現場に強制しないことです。
あまり気にしないで着実に実践することのほうを優先すれば、冒頭に申し上げたトレーニングあるあるによる悩み、失敗も解消されると思います。
ちなみに私個人は、週3回の16分トレーニングを続けています。ウォームアップとクールダウンの有酸素運動を入れても40分程度のからだづくりです。
扱える負荷は少しずつですが重くなっています。心肺機能(血流)への負荷も大きなトレーニングですし、かつ筋力も少しずつ伸ばすことができています。
自分の生活時間で無理なく継続できる実現可能な方法として、このようなルーティンになっているということです。
参考にはならないかもしれませんが、ひとつの例として示しました。
からだづくりだからと思って、筋肉を思いきり太くモリモリにしようと気張りすぎないで、でき得る頑張り度をコツコツ続けたほうが成果は上がるでしょう。
少しずつ確実に続ける方法をどうぞ見つけてください。心から応援しています。
(了)
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