食べるトレーニングを考えよう!「体重管理では痩せられない(中)」【梅原トレーナーのからだづくり哲学】
こんにちは、梅原淳です。
前回からの続きです。体重管理ではアスリートのダイエットは進展しない、という話をしています。
食べるトレーニングを考えよう!「体重管理では痩せられない(上)」【梅原トレーナーのからだづくり哲学】
最近のレポートは口語調で書くことが多くなっています。それだけ身近で些細なテーマから、私たちの知恵になるものを探っていこうという流れができているということだと思います。
さて、部活動などでは体重を量って体づくりの指標にすることが一般的なのですが、それでは太った体型が延々変わらないとお伝えしました。
体重はシンプルに物理的な質量ですから、私たちの体を構成する物すべての重さです。血液も筋肉も骨も脂肪も胃の内容物や便尿に至るまで、全部質量です。
それとあなたが気にしている太った体型、スポーツに悪影響な贅肉をなんとかしたい希望は残念ながら結びつきづらいものです。
あなたが機敏に動けない理由は?
あなたはもし鏡を見て体型が格好の良い逆三角形になっている、もしくはきれいなシルエットに満足しているならば体重を気にするでしょうか。
それならば太っているとは見なさず、きっと「こんな様子ではスポーツ選手じゃない、痩せなきゃダメだ、だから動けないんだ」なんて感じることもないでしょう。
見るからにプニョプニョしてしまっていて動作も鈍いから「痩せなきゃならない」となるのであって、それなくしてただ体重の数値で判断してはいないはずです。
この身長ならこの体重と、なにか明確な基準とされているものがありますか?BMIですか?もしその中に収まっているならば、動きが重くポッチャリ体型でも問題にしませんか?
本筋はプレイに支障があることですね、運動が重いとか遅いことに悩んでいるのです。それは体重の問題ではなく、体脂肪や血液の流れ方などの問題ですから、体重を調べても何も表れていません。
体重管理をやめなさいという主旨のタイトルにしたのは、価値が無いからではなくて、あなたの必要なデータではないという意味からです。
数値よりも見たままに結果が出ている
申し上げているように体重とは単純に質量ですから、あらゆる重さです。筋肉の付けすぎで筋量が多すぎても、BMIでは太っている数値になります。
それをデブとして、さらに体重を落とそうとしますか?体脂肪はすでに充分にして低水準でしょう。
もし「贅肉を落とそう」「太っているから運動が重いんだ」と実感しているのならば、体重では見えづらいので今すぐにデータを破棄して下さい。
見た目は見た目で判断します。ふくよかな見た目が引き締まっていけば良いのであり、筋肉のラインが見えたり全体的に理想的なシルエットになれば、数値を出さずともそれがいちばんの証明です。
それを目指した上で、少し高額な機器を使って体脂肪や筋量(骨格筋量)の数字で可視化し、具体的な目標値を設けることはより良い方法です。
ただ日常行われている体重を減らそう増やそうは、あなたの目的とは直結していないと認識してください。
運動で痩せようとするのは期待薄
さあ、では何をすれば良いのか?というところになりますね。
これは前回にもひとつ大事なことを申し上げていますが、スポーツの世界で常識なのは筋量を増やして代謝が上がれば自然と痩せていくとして、真っ先にウエイト・トレーニングいわゆる筋肉づくりを頑張ります。
一石二鳥だから、もっともセオリーであり効率的だと思うからです。
でも実際は・・・何度も言っていますが、大学生以下の体力消費の多いスポーツ選手が現実に太っているのです。筋トレだって定期的におこなっているのに、それでもポッチャリしています。
それをどうすべきか、という話ですから、筋トレを軸にするのは良い計画とは言えません。太っている選手は疲れやすいですから、あまりトレーニングの成果も見られないのが現実です。
さらに持久走など、とにかくたくさん走って脂肪を落とそうというのも一般的な手段だと思いますが、走ったおかげで引き締まった!と喜んでいる人は極々一部でしょう。
つまり、運動していても太っている人が運動で痩せようという矛盾があることを考えてほしいのです。
汗の分などで幾分かは減るでしょう。でも贅肉は落ちません。
筋肉だって多少はついて太くなります。それでエネルギー消費量も上がりますが、あなたの困った贅肉を洗い流すほどには到底およびません。
ポッチャリな育成年代のスポーツ選手が引き締まるのには、代謝を上げ、血液の流れを良くすることが主体です。
さらに次号へ!
(つづく)
関連教材:大人の「食トレ」~食べても太らない秘密のテクニック~
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