【梅原トレーナーのからだづくり哲学】トレーニングレポート No.101「速く走るためのワンポイント(前編)」
スキルアップ トレーニング フィジカル(身体) 梅原 淳 練習法
こんにちは、梅原淳です。
今日はいつにも増して目からウロコ、走るスピードを上げられるちょっとした工夫をあなたに教えます。
これはとくに「自分は足が遅い」と感じている人にとって、とても良い情報です。足が遅ければ遅いほど、このポイントにばっちり当てはまるはずなので、あなたの走りが重い理由をついに今日、知ることができるでしょう。
格好つけて前振りしていますが、とてもシンプルでありのままの現実を素直にお伝えします。
もう一度言いますが、足の遅い人ほどいまから話すポイントとまったく違う走り方をしていますから、ちゃんと練習すれば効果てきめんです。
走りの解説は多々あれど
走り方のポイントを知ろうと思えば、たとえばYouTubeでスプリンターの動画を探して解説を聴くことができるはずです。
オリンピアンなど実績のある人がその極意を解説してくれているものは、探せばいくらでもあると思います。
走ることは運動の基本中の基本ですから、その手の情報に出会うことはたやすいでしょう。
ただ、そういった動画のほとんどはすごく難しくて、一般的ではない場合があります。
考えてみてください、人生の多くの青春を走ることに捧げてきた方々ですよ。苦労して悩んで何度もつまずいて、挫折もケガも乗り越えて成功をつかんだものすごいランナーやそのコーチたちの話です。
猛者ばかりなんです。
その濃い人生を、簡単なものとして語ると思いますか?
走りのプロ達は、おれがこんなに苦労して創り上げた「走りの極意」というものを話したいでしょうし、それを私たちが参考にできるはずもありません。
さらに言えば、死ぬ思いで習得したものを「こうすれば簡単」「ようはこれがポイント」などと、誰でも楽にできるみたいな安易な話には絶対にしません。
それを言ったら、自分の人生を否定することになりますから、どうしたってとても細かく難しいテクニック、しかも本人の感覚的な話になってしまうんです。
つまり私たち向けではないってことです。陸上競技者であるとか、さらに追求したい人がヒントにするべきものです。
足の遅い根源的な原因を探る
運動を覚えるとき、また教えるときにいちばん手堅いのは、どうしてそのような動きになっているかを見つけることです。
本人はどのようにして體を使っているのかを自覚をしていなくても、他人が見て理解できることは必ずあります。
よく観察すると「ここの使い方がこうなっているからだ」「こんな動きだから鈍いんだ」というような現実が見えてきます。
脚の使い方、腕の使い方、バランス、力の入れ方抜き方、色々ありますね。目を凝らすと、ちゃんと映し出されます。
そこに的確にメスを入れることで、ぎこちない動きがきれいに整います。もちろん訓練が必要ですし、人によって習得具合は違いますけども、身につけば確実に運動は上達します。
運動習得は、根本的な原因を取り除くことが王道なんです。
足の遅い人の典型
ここではあえて「私が見つけた」と注釈を入れて、走るのが遅い人の典型的な動きを解説します。
走りの遅い人は、言い換えれば「脚の動きが重い人」です。どうして重くなるのかというと、自分で重くしているからです。
だったら「どうやって重くしているのか」を探れば良いですよね。実際に運動している様子を見るのが明解ですから、観察しつつ思考を巡らせるのです。
その理由は、自分の体重を「強く脚に乗せているから」これしかありません。
えっ?こんな当たり前過ぎて、その程度なら素人でも子どもでも言うよってレベルの話をするの!?と思った人いますよね。
そうです、でもそれが答えです。
脚に体重を掛けすぎているから脚が重く、そのために走りが遅くなっています。
ただそれだけです。
とは言っても、大事なのは「じゃあどうして脚に強く体重を乗せてしまうのか」ということですね。ここを考えなくてはいけません。
起きている現象で話が終わらず、根っこの解決のためにはWhyの部分に光を当てられるか否かにかかっています。
あなたは原因をどのように考えますか?
これを考えることがアプローチ方法に直結します。
ではそれを次回に話したいと思います。
今日はここまで。
(以下、次号)
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