【片岡編集長】リトアニア代表はドンチッチ選手を封じられるのか!?(3)

スキルアップ ディフェンス 戦術 片岡 秀一

ナショナルチームのゲームより32『リトアニア代表のトランジションディフェンス(ミス?の事例2)』

引き続き、2019年男子ワールドカップにおけるリトアニア代表チームのディフェンスを題材といたします。

いよいよ、6月29日(火) から7月4日(日)まで、東京五輪の最終予選が開催されます。

リトアニアが参加するブロックには、NBAでオールファーストチームにも選出されたルカ・ドンチッチを擁するスロベニア代表がいます。順当にいけば、両チームは決勝戦での対戦。

この両チームを含むリトアニア開催のチームが、オリンピック最終予選(OQT)を勝ち上がった際、日本と同組となります。

激しいディフェンスを武器とするリトアニア代表との攻防は注目に値するゲームといえるでしょう。

今回は、強固な守備を武器とするリトアニア代表のプレーより、トランジションディフェンスのミス事例と区分できるかもしれない場面を取り出してみます。

ドンチッチ選手は状況判断に長けた選手です。このようなディフェンス側のミスは見逃しません。

1、プレーの構図

2、プレーの流れ

トアニア代表の#19ミンダウガス・クズミンスカスが、クローズアウトシチュエーションに対しカウンターでドライブを試み、ゴール下でのshotが外れました。

バランスも崩し、少し遅れてトランジションディフェンスに合流する形となりました。各選手がスプリントバッグをし、的確に危機を潰していきます。

体的には、先行して走っているインサイドのシールは先行で戻っている選手が潰しました。

ボールマンに対しても、マッチアップする選手が明確です。反対サイドで走る選手に対しても、しっかりとレイアップのコースを防いでいます。

かし、ボールと反対サイドから走り込んでくる選手にノーマークで3Pを打たれてしまいました。

ゴール下のドライブを試みた#19ミンダウガス・クズミンスカス選手も必死に戻りますが間に合いません。

結果として外れましたが、決まっても不思議ではないシチュエーションと言えるでしょう。

3、総括

は、どうすれば守れたのかを考えてみたいと思います。あくまでも机上の空論となりますが、ご了承ください。

前回の記事同様、今回も#11ドマンタス・サボニス選手のスプリントバック時のビジョンに改良の余地があると感じました。

この場面でボールを運ぶ選手と、おそらく自分がマッチアップをする選手に完全に目線が向かっています。

もし、下図のように黄色いビジョンでスプリントバックをしていれば、どうだったでしょうか。

 

 

 

 

まずは、反対サイドのフリーの選手が目に入り、そこに対してマークをしたかもしれません。

ゴール下へのアタックから必死に戻る#19ミンダウガス・クズミンスカス選手は、図の「5」番の選手をマークする事は間に合った可能性も考えられます。

少なくとも図「4」の選手よりは時間的な猶予がありました。

回に引き続き、このように、ボールマンと自分のマークマンを捉えると安心してしまう心理的な落とし穴もあるかもしれません。

最低限の仕事として悪くはないかも知れませんが、チーム全体の「最も危険なエリア」を潰すタスクが優先となるといえるでしょう。

また、果敢にリングにアタックをし、かつ必死に戻った#19 ミンダウガス・クズミンスカス選手には酷かもしれませんが、図(左)の場面で別のシュート方法を選択すれば、トランジションディフェンスのスタートで不利になる事も無かったかもしれません。

リング下でのフィニッシュ能力と、トランジションディフェンスの質は、非常に強い相関性がある事が分かる事例です。

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この記事を書いた人片岡秀一片岡 秀一
株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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