【片岡編集長】ナショナルチームのゲームより29「ハンドオフを防ぐ」
前回に引き続き、2019年男子ワールドカップにおけるリトアニア代表チームのDFを題材といたします。
同チームは、フランス、オーストラリアに僅差で敗退をした為、上位進出とはなりませんでした。
しかし『バスケットボールは宗教』と呼ばれるほどに人気のあるスポーツとして有名であり、世界の最上位チームの1つです。東京五輪が無事に開催された際、リトアニアが自国で開催するOQTを勝ち上がった際、日本と同組となります。
また、先日、同OQTに参戦するスロベニア代表では、ルカ・ドンチッチ選手がナショナルチームの活動に加わる予定である事も報道されました。
下馬評では、リトアニアとスロベニアが決勝戦を戦う事が濃厚と言えるのではないでしょうか。
欧州選手権を制覇した経験を持ち、NBAでも出色の活躍をしているドンチッチ選手と、激しいディフェンスを武器とするリトアニア代表との攻防は注目に値するゲームといえるでしょう。
今回は、各カテゴリーで頻出するハンドオフからのプレーを「防ぐ」ディフェンスを取り上げます。
1、プレーの構造
2、プレーの流れ
トランジションオフェンスの延長で、サイドの位置でのハンドオフがスタートします。
リトアニア代表は、まずは、スクリナーの下側を通過するアンダーで対処します。
それに対し、セネガル代表チームはRe-Pickのような形となります。 ここで、スクリナーの選手とボールを持つ選手との思惑が少し乱れ、スクリナーの選手はポストアップを意図した動きを見せます。また、ボールマンはベースライン方向へとドライブを試みました。
いずれにしても、リトアニア代表の♯10 Renaldas Seibutis選手は、ドライブを封じました。
その後、セネガル代表のボールマンは、高い位置に出てきたインサイドの選手にパスをします。その後、自らボールを受けに行く素振りを見せます。ハンドオフへを意図した動きです。
しかし、ここではセネガル代表の動きを遮断します。また、上方向の動きを封じればバックカットのリスクも出てきます。しかし、バックドアも狙わせず見事なディフェンスを見せました。
結果、セネガル代表は、意図したプレーを遂行する事が出来ず、別の選択肢を選ばざるを得なくなります。ショットクロックを何秒も消化したことになりました。
※その後、最後のPnRにもリトアニア代表側の攻防の駆け引きが見え隠れしますが、本稿では割愛します。
3、総括
昨今、サイドの位置でハンドオフを起点としてオフェンスが各カテゴリーで数多く見られます。本シリーズでも、各国のアーリーオフェンスのプレー解説でご紹介しました。
このようにハンドオフへと向かう動きを防ぎつつ、バックドアも許さない強固なディフェンスを遂行できれば、相手の起点の1つを潰す事が可能です。
また、このようなディフェンスを遂行するには、各選手の予測能力やバスケットボールIQの高さが求められるでしょう。
脚力やフィジカルコンタクトの強さ、ハッスルだけではなくフロアバランス等を踏まえた予測能力があってこそではないでしょうか。
フォーメーションではなくとも、「このプレーを選択してくるはずだ」という発想がある事で、ディフェンス側は先手を取る事が出来ます。
B.LEAGUEにおいて2年連続でディフェンス賞を受賞した藤井祐眞選手も、ディフェンスでの予測能力に長けた選手です。
報道記事等でも「相手のフォーメーションを潰すこと」で卓越した能力を発揮されている事もご紹介されています。
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株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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