【梅原トレーナーのからだづくり哲学】 【緊急提言】ワクチンの来ない今、必要なのは規制よりも免疫力(中)
(参考)【緊急提言】ワクチンの来ない今、必要なのは規制よりも免疫力(上)
2021年1月に二度目の緊急事態宣言をおこない、それを解除したのちにまた感染者がどっと増えた。
これは皆の行動を縛り続けた経緯を考えれば、ごく当然と言える。
国民の生活を抑えつけている間にワクチン接種が始まり、日本全土へ広く投与が進んだならこうはならなかっただろう。
緊急事態宣言等での行動制限は、それによってコロナ危機を終息させようとするものではなく、あくまでワクチン投与が全国民へ行き渡ることで感染拡大は無くなるのであり、それまでの「しのぎ」がこれら水際対策だ。
だからワクチン投与が始まらない今の情況では、水際で唯々耐え続けるのみである。水際とはそういう意味だ。
水際ではない対策はあるのか
ひとまずのやり過ごしである現在の取り組みは、このように長く行うものではない。それらの持つ性格的にも長期には向かない。
それを他に方法が無いために続けざるを得なくなっていて、何度規制したところで出たり引っ込んだりを繰り返すだけであるのは、すでに国民が経験したところである。
つまり「その場しのぎ」であり、蔓延防止等重点措置や緊急事態宣言を行い、その場をどうにかしのいだ一瞬のチャンスにワクチンを全国民へ投与する必要がある。
それがイギリスやアメリカはじめ、多くの国ですでに始まっている。国民100人あたりの接種回数が50回以上の国は、22カ国ほど(5月7日時点)。
しかし日本では医療関係者を中心に、特定の立場の人に実施され始めた段階だ。
ここから一気に加速すれば良いが、どうなるかは今のところ私たち国民が知れる明確な情報はない。一体どんな段階にあるのか?と、不安が膨らんでいる人は多いだろう。
ではそれを受け入れて、延々と生活を縮めるだけしかないのか。
いや方法はある。
生命のもつ自己解決能力
水際対策と言っても、それは問題が減ったり解決したりするようなものではない。水際はいつまで経っても水際のままだ。
私たちはこの問題を解決したいのであり、ウィルスを抑え込んで終息させようとするのが本当の意味での対策である。
水際ではなく、最先端医療に頼ったワクチン期待でもなく、自分たちで取れる感染防止策は無いのか?
ある、それは「免疫機能を高める」ことだ。
説明などするまでもないが、生き物の体には生命を維持するための自浄能力が備わっている。風邪をひいてもそれを治す動きが起こり、その働きによって体調は一旦落ち込んでものちに回復する。
その自然治癒能力のおかげで、ウィルスが体内に入り込んでも病気にならない。薬もなにも使わずに、自分の体の中だけで問題を解決するという、たいへんに優秀な能力を私たちはすでに持っているのだ。
風邪をひかない人のからだ
風邪などに罹った際に、薬や治療をおこなっていつも他力で治している人と、風邪になど罹らない、また少し体調が落ちて症状が出ても自然と治っていくという人がいる。
これは病気の重症度というよりも、その人の治す力の差に因るところが大きい。免疫力が高いか低いかの差である。
あなたの免疫力はどうか。風邪に罹りやすい人、いつも不調があるという人、症状が長引く人、必ず重くなる人、急に大きく落ち込む人、このようなことが多い場合は免疫力が低いと考えられる。
あまり病気に罹らない人は、いま私たちがコロナ対策としておこなっている消毒や手洗いを熱心にしているから元気なのではない。体の中の用心棒がとても強いのだ。
手洗いもうがいも消毒も、外的には良い方法のひとつだ。しかしそれをどれだけ頑張っても、それなりの可能性しか得られない。
それらは「体を蝕むものよ、ここに近づくな」と距離を離す方法だから、近づかれ侵入されたらそれまでだ。
しかし免疫は違う。近づいて来たものを、力尽くに追い出してくれる。ちょっとやそっとではウィルスが巣くうことのできない強靱な防衛力を、免疫というものは持っている。
そう考えれば、それを鍛えずして私たちは一体どうやってコロナに立ち向かおうとしているのか。
リスクは自分で減らすもの
免疫力があればコロナに感染しないという話ではない。そんな完ぺきなものを人間が持っているはずがない。
自然治癒力が高くかつ防衛力の強い人であっても、それをも上回るものがきた場合や、少しその力が落ちているとき、また加齢による衰えは必ずあるので、病気に罹るリスクは消えない。
ただ少なからず日々それらに気を遣い、できるかぎり力を高めておく心掛けはしておくのが賢明ということは言える。
リスクを限りなく減らす努力を個人で行うことが、自己解決能力だと私は考える。免疫力は水際ではなく、本物の闘う力である。それを自分で携えることができる。
それがもっとも肝心な、国民をあげての「感染対策」である。
次回は話の最後に、免疫力を高める実践法を紹介したい。
(次号へつづく)
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