【片岡編集長】クォーター終盤の攻防を考える1(バスケ戦術)
オフェンス スキルアップ ディフェンス 動画 戦術 片岡 秀一
今回より、クォーター終盤の攻防を中心に扱ってみたいと思います。
バスケットボールでは、クォーター終盤の攻防が4回発生します。
特に、1~3クォーターの攻防を制する事は、試合の勝ち負けにも大きく左右されます。
その場面での1点やファール1つの存在が、後々の試合結果、ひいてはリーグ戦等での得失点に影響し、チームの命運を左右する事も大いにあり得ます。
ワールドカップ等の国際ゲームを見ていると、各チームの特色や対戦相手との相性を踏まえ、各コーチの特徴が数多く見られます。
本稿にて、特徴的な戦い方を紹介していきたいと思います。
◇2019年の男子ワールドカップの事例を紹介
2019年の男子ワールドカップではスペイン代表が優勝しました。
そして、準優勝に輝いたアルゼンチン代表チームの溌溂としたプレー、及び結束力が印象に残っている方も多いのではないでしょうか。
また、アメリカ代表がフランスに敗退したことも話題になりました。
NBAの超一流選手が出場を辞退していた背景があるとはいえ、世界のバスケットボールが進化している事を改めて感じさせる大会でもありました。
そんな大会で、アメリカ代表に肉薄したチームがトルコ代表です。
詳細は割愛しますが、勝ち星を99%掴んだ状況下、よもやの事態で勝ち星を逃す形になりました。
今回はそんなトルコ代表が、ニュージランド代表戦で見せたコンセプトを紹介します。
◇徹底してターゲットとする選手から攻める
なんてことのない場面ですが、詳細まで見てみると、トルコ代表チームの狙いが分かると思います。また、それを回避しようと努力するニュージランド代表の駆け引きも読み取れます。
順番に箇条書きにしていきます。
- まず、ボールマンがスクリーンを呼びます。#47の選手のマークマンが呼ばれました。
しかし、#47はアウトサイドのDFを得意とはしない選手です。
途中で、別のマークマンがボールスクリーンの対応へと向かいます。 - トルコ代表は、それに気が付きます。
再び、ボールマンと#47番にマークされている選手で、ハンドオフのような形でボールの保持者を変えます。
ここでも、ニュージィーランドはスイッチをします。ボールマンの絡む攻防に#47の選手を関わらせたくない事が見て取れます。 - もう一度、トルコは#47の関わる選手をスクリナーに呼び、ピック&ロールをセットしました。
2名しか攻防に関われない領域でのプレーです。
今回は、ニュージィーランドにとっては、スイッチせざるを得ない状況となりました。
(ヘッジする脚力は無い、アンダーしていればシュートを打たれてしまう為です。
勿論、アングルを変える必要もある為、ICE等も難しいシチュエーションです) - ついに、「獲物」との対面に成功したトルコ代表。
冷静に状況を見極め、落ち着いた状態からほぼシュートを放ち、ゲーム終盤に貴重な得点を沈めました。
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