【片岡編集長】「スクリナーに接触せずに追いかける」戦う領域を明確にする
引き続き、女子代表チームが選択しているDFコンセプトの紹介、及び、各選手の戦術遂行能力の高さを中心に、強さの秘訣に迫りたいと思います。
繰り返しになりますが、女子代表チームが国際舞台で戦績を挙げているのは、チームが明確な戦術を掲げ、それに基づく選手選考をし、各選手のDF戦術やOF戦術の徹底度にあると感じています。
一般誌などで取り上げられることが多い3Pシュートは、その戦術や緻密な準備が表面化した一例といえるでしょう。
今回は、SIDEでのOn Ball Screenです。
上記映像では、画面下でDFをする#88赤穂ひまわり選手の動きに注目して見ましょう。
まず、Screenのセットを確認するや、ベースライン方向に抜かれないようにアングルを変えます。
オフェンス側に、スクリーンを使うフェイクをして反対サイドを抜かれない(Reject)為です。その上で、まず、渡嘉敷選手がボールマンのドリブルとセンターの両方を守れる位置取りをします。
赤穂選手は、屈強な体格を持つスクリナーに接触をしないよう、脚を外側に置きます。
その上で、サイドステップではなくスプリントをして相手を必死に追いかけます。
それを確認するや、渡嘉敷選手も自分のマークマンを優先的に守る位置取りに変更します。
ここで重要なのは、周りの3選手のDFの位置取りです。
スクリーンプレーに対して身体や視線、意識は向けていますが、あくまでも自分のマークマンを優先して守っています。
仮に、ここで過剰なHelpをしてしまうと、その選手がノーマークになってしまいます。
このように、相手チームのオフェンス戦術に対し、各々の役割や責任を明確にし、それを忠実に実行しているからこそ、相手チームのシュート確率を下げることに成功している要素が大きいと感じます。
仮に、ここで他の選手が過剰なHelpに出たとしても、BOXスコア上にDFのミスが記載されるわけではなく、表面化されにくいトピックスです。
赤穂選手も、そもそも、最初の段階で反対側に抜かれてはチーム戦術が崩壊します。
また、スクリナーに対してコンタクトをし、最短距離を進もうとしても、オーストラリアの屈強なスクリナーのコンタクトに押し負け、ボールマンへのマークが遅れていた可能性もあります。
勿論、そのような戦術を選択する事も考え方としてはあります。が、仮にシュートを決められた際、振り返る際の様々な要素が多岐に渡りすぎてしまいます。
良く走る事も日本女子代表の武器です。その長所をBall ScreenのDF戦術を選択する際にも採択する事で、戦いのポイントを明確にしていると感じます。
仮に、ここで赤穂選手が相手ドリブラーに振り切られれば、脚力で相手に屈したと言えます。
選手としては、DF脚力の強化や、反応の強化にフォーカスすればよく、明確です。
戦術や、役割を明確に提示している事が女子代表チームの躍進を支えている一因ともいえるのではないでしょうか。
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