【梅原トレーナーのからだづくり哲学】トレーニングレポート No.59「動きを止めるための動き」
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今回の動画は、止まる能力を鍛えているところの映像です。
止まる力というのは運動能力の高い選手、さらにその中でもレベルの上の選手が備えている技術です。
能力があればこその技術ということではありません。この止まる力を携えているからこそ、高い運動パフォーマンスを発揮することができていると言えます。
よく「勢い余る」とか「闇雲に振り回して・・・」などという言葉を聞くことがありますね。なんでも力の出力が大きければ良いというものではなく、力はコントロールが必要です。
最高のパフォーマンス、ベストのプレイをおこなうためには、それに必要な力加減があって、自身の力を制御する能力を持っているかどうかが、熟練者と未熟者を分けます。
たとえばドライブを仕掛けたときに、ディフェンスを振り切ろうと思い切りダッシュしますが、それが速いから勝てるとは言い切れません。
もしスピードで勝っても、そのスピードが自分のコントロールを超えているものであったならば、そのあとにレイアップ・シュートに展開したり、ゴール下でフェイクを入れてディフェンスの体勢を崩したり、そういった変化を起こせなくなってしまいます。
ではスピードの出し過ぎはいけないのでしょうか。当然、最良のスピード加減はありますが、あえて遅く動けということではなく、素早い動きにも対応できる「止まる力」があればあなたのスピードを最大限に活かすことができるということです。
さらにこの映像の中で練習しているのは、筋力で體を固めて動きを止めているのではなく、必要なだけの力加減と力を入れる場所、さらにボディ・バランスを意識しています。
こうやってバランスを保持することや要・不要の力のコントロールを覚えることで、常に安定した自分にとってのベストな力の出し加減が身につき、スピードが速くても遅くても勢いが強くても弱くてもアジャストすることができるようになります。
映像は基礎中の基礎の止まる練習ですが、さらにここから競技に特化したシチュエーションに発展させていけば、高い力のコントロールを習得できるでしょう。
私の拙著「バスケ筋」では、この技術をストップ・モーションという言葉で解説しています。
止まることは、単に動きの終了を意味するのではなく、高いレベルの運動技能であるのです。
どうぞチャレンジしてみてください。
動画3758
動画3759
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