【小谷コーチのバスケットボールを分析しよう！】「ST」についての分析を深める

こんにちは！小谷究です。

私は現在、流通経済大学スポーツコミュニケーション学科で助教を務めています。

また、同大学バスケットボール部を指導しています。

このメルマガでは、バスケットボールを分析する方法について一緒に勉強して行きましょう。

前回まではボックススコアの「AS」について分析しました。

今回はスティールの本数である「ST」について分析していきましょう。

【「ST」とタイトディフェンスの関係】

スティールにはパスカット、ドリブルカット、保持しているボールを奪うといったものがあります。

ボックススコアではこれら各種のスティールが「ST」にまとめられて集計されるため、スティールの種類までは確認することができません。

しかしながら、ドリブルカットやボールマンが保持しているボールをディフェンスプレーヤーが奪うためにはボールに触れられる距離までボールマンに近づかなくてはなりません。

また、パスカットをするためにはディフェンスプレーヤーがパスコース上もしくはパスコース付近に位置していなければなりません。

つまり、「ST」が多いチームやプレーヤーは比較的タイトなディフェンスを用いることが予想されます。

さらに、パスカットについて分析してみると、ボールマンがディフェンスプレーヤーからのプレッシャーを受けずに余裕がある状態であれば、パスカットをされるようなパスを出すことはあまり見られません。

一方、ディフェンスプレーヤーがボールマンに近づいてプレッシャーをかけた場合、ボールマンに余裕がなくなり、パスコース付近に位置するディフェンスプレーヤーを視野に納めることが困難になり、苦し紛れの不用意なパスをしてパスカットされてしまうことがあります。

このことからも「ST」が多いチームはタイトなディフェンスを用いていることが考えられます。

さらには、よりボールマンにプレッシャーがかかるダブルチームを仕掛けるようなプレスディフェンスを持っていることも予想されます。

【「ST」が多いチーム，プレーヤーに対して】

ボックススコアで相手チームの「ST」が多いことを確認できた場合には、事前にプレスディフェンス対策としてプレッシャーリリースなどの準備や確認をしておくことが必要になるでしょう。

また、ボックススコアで相手チームに「ST」の多いプレーヤーを確認できた場合、そのプレーヤーにマークされるプレーヤーは、パスカットされないようにシールやミートをより意識することも求められるでしょう。

さらに、アイソレーションやピック&ロールをする場合には、相手チームの「ST」が多いプレーヤーにマークされているオフェンスプレーヤーを絡めないで組み立てることでスティールのリスクを減少させることも考えられます。

 

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