【梅原トレーナーのからだづくり哲学】トレーニングレポート No.23
オフェンス スキルアップ ディフェンス トレーニング 指導法 梅原 淳 練習法 育成法
先日あるチームにおいて、ディフェンスの1歩目の素早い反応また初動の俊敏さの感覚を身につけるため、1対1の飛び出しの部分を取り出して練習しました。
このとき、動き出しで身体を当ててオフェンスの進行を押さえようとする選手が何人かいました。
それについてどう見たかというと、これは良いプレイではありません。今はドライブの初動に素早く反応して動くというのが課題なので、身体は当てるなと言いましたが、それでもやはり肘で押さえたり無理やりコースに入って胸を当てようとしてしまいます。
つまり、これはコンタクトをディフェンスの武器として有効に使おうとしているのではなくて、やむなく身体をぶつけているだけということが解ります。なぜついコンタクトしてしまうかというと、脚が無いからです。
平面のディフェンスをする脚が弱く、動かないものだから、それを補うために無理からに腕や胸で押さえつけてオフェンスを止めようとしてしまうのです。それは良いコンタクトではありませんね。
脚の動きが弱いから押さえてしまうのでは、消極的なコンタクトプレイです。動きの悪さを隠すためにコンタクトで誤魔化すということですし、間違いなく段々とそれを多用することになっていきますから、さらに脚を使わなくなり、鍛えようともしなくなります。
良いことはひとつもありません。
本来はもっと有効的に身体の壁を利用する、積極的なボディアタックであるべきですね。脚が力強く動いた上でのさらなる一手のはずなので、まずはコンタクトよりも脚が強く素早く動くことが大前提です。
これをしてしまう選手は、脚が伸びて構えが浮いている傾向にあります。もしくは止まっているときは沈んで構えていても、動き出すと腰が浮いて伸びた姿勢になってしまう人もいます。
これがクセになってしまうと、絶対に素早い脚さばきは身につけられませんから、左右への振りに対応できず、急なストップにも対応できず、オフェンスに翻弄されるだけになります。
まずは腰の落ちたスタンスの広い姿勢が何より基本です。
そういうこともありますので、やはり悪循環を生む消極的コンタクトは取り除くべきです。本人は意図していない場合もありますので、コーチがそれを見定めてあげることも必要でしょう。
自分は我がチームは激しい当たりのディフェンスを持っている、と思っていても本当は….という場合もあり得ます。接触プレイは十分な性質の見極めが必要です。
(了)
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