【片岡編集長のレポート】ディフェンスリバウンド9-実践的な要素を織り込んだ形式でのドリルを紹介-
前回の記事では、ゲームで発生しうるディフェンスリバウンドシチュエーションを抜き出し、フィジカルコンタクトへの耐性、必要な動作の訓練などを意図したドリルを紹介しました。
今回は、さらに実践的な要素を織り込んだ形式でのドリルを紹介していきます。勿論、各チーム事情によって背景や練習環境は異なりますので、何かしら指導現場の中で活用できるエッセンスや設定がご提案出来れば幸いです。
◇4対4のディフェンスドリルでの意識付け
上記のような形式で4対4のチームディフェンスを練習しているチームも多いと思います。ドライブへのHelp、HelpのHelpの連動などが鍛えられる代表的なドリルです。上記のドリルを実施する際、ディフェンスリバウンドへの意識付けの為、下記の項目をドリルの条件の中に加えます。
①DFドリルの終了地点を明確に
このようなドリルをする際、オフェンスリバウンドを獲得された際の扱いが不明瞭なケースが目立ちます。相手に得点を許さずに攻撃権の交換をする事がディフェンスの目的です。オフェンスリバウンドを獲得された際には、オフェンス側の攻撃を続ける事をルールとして決定する事が重要であると考えます。
場合によっては、オフェンスリバウンドを獲得されて、かつ、シュートも決められた場合には4人のDFはもう一度DFを実施する、または、スクワットや腕立て伏せなど、何かしらのペナルティーを与え、オフェンスリバウンド撲滅に対する緊張感を高める事が必要であると考えられます。
場合によっては、DFが成功した際に、その4人のチームに1ポイントを与え、DFが成功した際には、次のターンでもDF。決められた際にはオフェンス側へ回り、各チームでDFポイントの先取点形式にする事も手法としてはありだと思います。とかく、バスケット選手はオフェンスを好む傾向にありますので、DFの練習である事を明確にする必要性を感じます。
※4人一組で回せない場合、個人にポイントを与える形式も考えられます。いずれにしてもDFの成功率の高い選手がドリルの中で勝者となります。
②LIVE(オフェンスがシュートまで行っても良い)の際の合図
4対4のDF練習の際、コーチの笛の合図、または定められたパスの回数を実施後にLIVE(オフェンスがシュートまで行っても良い)とするケースも多いです。それ自体が何も悪くありませんが、DF側の緊張感を高めるために別の方法もあります。一つは、リングの下にコーチ役が立ち、LIVEの合図として手を挙げる事です。DFプレイヤーには見えませんが、OFプレイヤーにはコーチの手が見えます。直ぐに手を挙げる事もあれば、ある程度の時間で泳がせてから手を挙げる事もあって良いでしょう。緊張感をもって取り組ませる為、ドリルの設定で工夫できることは多いです。
③全てのドライブへのHelpが本当に必要か否か
ディフェンスリバウンドが難しくなるケースの代表例はHelpポジションに移動した際のシチュエーションです。元々のマークマンとの距離が発生してしまっている事が要因です。カバーダウンが成功したとしても、サイズ差があってミスマッチとなるケースも考えられます。
その際、本当にHelpが必要なのか否か、ディフェンスシステム自体を再考する必要性があると考えられます。もし、ベースラインドライブに対して元々のマークマンが素晴らしい守備を見せ、体制が崩れたシュートに持ち込んだとしても、安易にHelpに出ていればオフェンスリバウンドを与えてしまいます。また、合わせをするためのパスコースを産み出す事にも繋がります。
また、このようなケースで不用意なHelpの減少を通じてディフェンス力を高めたい場合、クローズアウトからのドライブへのDF力の強化に時間を費やす事も必要になるでしょう。
<まとめ>
DFリバウンドの意識を高める為には、日頃の練習より、「DFリバウンドの意識を高めないとクリアできない/練習ドリルの中で勝者になれないような設定」を施すことが重要になると思います。総じて、スポーツに取り組んでいる選手は競争が好きですし、1対1にしても、シュート競争にしても、勝負をする事に喜びを見出す傾向がある事が多いのではないでしょうか?
DFリバウンドの重要性や大切さをどんなに説いても、それが日頃の思考サイクルや行動基準に落とし込まれていなければ、重要な試合の、重要な局面で発揮されません。習慣のスポーツを呼ばれる競技であるからこそ、日頃の習慣やスタンダードの構築が重要になるはずです。
また、最近はスマートフォンでも気軽に撮影が可能です。特に4対4のDF練習などをする際、ハーフコート全体が見渡せるアングルで練習風景を撮影。オフェンスリバウンドを獲得されてしまったケースについて映像や理論を基に徹底的に叩き込むこともリバウンド力UPに繋がるはずですし、実際に練習中に映像を効果的に活用しているプロチーム、大学、高校の強豪チームも非常に多いです。難しいソフトは必要ありませんので、是非、ご活用ください。
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