【梅原トレーナーのからだづくり哲学】外クラブが学校部活をも盛り上げている

データ・情報 梅原 淳

子どものスポーツへ投資する傾向を、いま強く感じる。

昔からそのような家庭はあったが、それは稀であって、全般的には受験に関わる学問にお金を掛けるというのが日本の社会である。

それがいま、まだ少しの動きではあっても、積極的に、または抵抗なくスポーツへ投資する思考が芽生えているのを実感する。

少し前は、運動の苦手な子を変えたいと願う親が家庭教師をつける動きがあった。
子どもをスターにしたくてダンスなどの習い事に通わせる家もあり、ただそれも一般的ではなく、また以前から見られるものである。

子どものスポーツはお金の掛かるものと掛からないものに分かれていて、バスケットボールは学校部活動として普及したため、後者の色の強いスポーツである。

もちろん部活動であっても、昔からお金を掛けて活動しているチームも存在している。
それは必ずしも強豪校に限定されるものではなく、バスケットボールでも割と部費や遠征費が高いチームは珍しくない。

要するに社会全体としてどちらの傾向が強いかということだが、依然としてバスケットボールはお金の掛からない部活主流のスポーツであるものの、あることをきっかけとしていま、投資することへ一歩踏み出す人が少しずつ増えている様子が窺える。

クラブチームの発足

部活を主流としていたバスケットボールが、外クラブの増加によってその考え方に変化が出ている。

器械体操、スイミング、テニス、スケート・・・・このようなスポーツは学校よりも外の教室に通う印象が強いだろう。
つまり主には「習い事」と位置付けられる。

野球は例外で、軟式硬式の違いで中学までは外クラブ、高校は部活動という図式が固定されている。

バスケットボールは、ここ数年で一気に外クラブが全国的に増えていて、その運営は主催者によって様々であり、多くは部活動より費用が掛かる。

外クラブの出現によって、必然的に投資せざるを得ない状況が生まれているとも考えられるだろう。

中学部活の地域移行

さらに政府が主体となって進めている学校部活動の改革があり、大きく動いているのは中学校における部活動の縮小である。

地域や学校ごとにその温度差は大きいものの、日本全体としては積極的に動いていて、なかでもバスケットボールは他競技に比べて早いようだ。

これは当初(いまでもそうだが)、部活動が衰退していくと思われていた。
そこに関わるコーチや生徒の意欲も薄れ、やる気の強い人間が好んでお金の掛かる外クラブに加入する、という感覚を多くの人が持っている。

しかしそれがどうも違う動きになっていく可能性がある。

外クラブの盛り上がりに乗って、中学部活も「学校」という枠に縛られない開放的で自由な活動スタイルを取り入れ始めている。

これは顧問の先生の価値観によるところが大きく、外クラブと同じような積極性がいくらか見られる。
私のところに寄せられるチームづくりや選手育成の相談でも、それがありありと感じられる。

学校を背にした活動は縮小されてしまったが、それが一方で学校的な「お堅さ」が緩和される良き面も生まれているのだ。

つねに二つの面がある

部活動の縮小は社会的にも大きな問題となっているが、物事はなんでも二面性があって、悪い事ばかりではなく必ず希望も見つけられる。

一部であっても、これまでは学校色の強かった中学部活が外に目を向けるようになって、縮小によって苦戦はしても、新しい方法や活動スタイルをつくってより意欲的になり、廃れるどころかもっと盛り上がる可能性もあり得る。

これは私の希望などではなく、日々の実体験から分かる現場のたしかな様子なのだ。

踏ん張り頑張ろうとする部活は、これまでにはなかった新しいスタイルを築くだろう。

そうしたら部活も外クラブも関係ない。どちらを選択しても未来ある素晴らしいスポーツ環境となるはずなので、部活の先生たちにはさらに頑張っていただきたい。

部活も成長!

私の立場ではなにもできないが、この執筆を通じてささやかにエールを送る。

(了)

この記事を書いた人梅原淳梅原 淳
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。
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