【梅原トレーナーのからだづくり哲学】練習時間は内容の結果である

梅原 淳 練習法

ときおりネット上などで、練習時間の長さについて議論されることがあります。

長いことに否定的である意見が多いと思いますが、実際はみな練習時間の確保に苦悩していて、3時間以上の練習を日常的に行える環境は圧倒的に少ないと言えます。

私個人は長い練習時間を好みません。もっと言うと、時間で練習を考えていないのです。

目的を以て鍛練するのであり、そこには明確な課題があります。上達したいとか解決したい内容があるのであって、そこに着手している時間が1時間でも5時間でも構いません。

入り込めばあっという間に5時間経っているかもしれないし、捗れば1時間で終わることもあるでしょう。

必要なのは成果です。成果とは長期的な先々に得られるものだけではなく、その日そのときの進み具合でもあります。

テンポアップ

私はからだづくりを指導する際に、段取りというか練習の手際の良さをいつも考えます。

次から次に内容を進めていきたいし、そのほうが圧倒的に集中しますから、選手にはてきぱきと行動するよう求めます。

サポートを始めた当初では、多くのチームにおいて練習の進行に鈍さがあります。それが練習時間を増やし、集中力も欠いて成果の薄い日々をつくってしまいます。

トレーニングの説明が終わって実技を始めるときの行動の遅さは、大きな損失です。

誰も動かずいつまでも練習が始まらない、といったご経験がないでしょうか。

フットワークをするとき、5列で並んでほしいと伝えてすぐにそれが済むチームはありません。

なにを迷っているのか、グズグズとしていっこうに列が作られません。目立たぬよう一カ所に固まって、ひと列だけ人数が多いなんてことがありませんか?

それを直して均等割するのにも、なぜか一苦労するのです。

いちばん端的なのは、ボールを使うトレーニングのときです。

それを取ってきてほしいと言うと、ボール籠のところへ行ったきり帰ってきません。

なぜかそれだけのアクションで休憩の雰囲気になって、そこでおしゃべりする人、ドリブルやシュートを打ち始める人、水を飲み始める人などが現れます。

公のレポートですがあえて言わせてもらえば、だらしない。

このような様子がそのたった一度のはずはなく、もし3時間の練習であれば幾度となくあり、練習全体が気の抜けたものとなるのです。

そこにどのようなドリルが入っても、上達は見込めません。

私は何処にでもありがちなこれらの無駄を省くことで、結果的に練習時間を短縮もしくは量と質ともに高い捗ったワークアウトを作っています。

良い練習は時間で決まらない

事実として目の前の様子を見れば何が良いものをつくり、何が悪くしているかは見えるはずです。

安易に練習時間の長い短いを考えることはしません。良い鍛練になるのであれば、短くても長くてもどちらでも構わないのですから。

時間は貴重です。ただ時間に縛られないでください。

コートを長時間使えるからたくさん練習しないと勿体ないとか、条件が悪くて練習時間が少ないなどと愚痴らず、どのような時間であっても中身の濃いワークアウトをつくるべきであり、それは充分に可能です。

頭にも身体にも、負荷の強い練習をおこないましょう。

それにはまず、これまで目を向けていなかった部分のちょっとした行動を改善することがベターです。

何事も心掛けと行動で実りかたが決まります。時間は長さよりも、その質を見ると良い方向へ進める場合が多いでしょう。

どうぞあなたにとって素晴らしい時間をつくってください。

(了)

この記事を書いた人梅原淳梅原 淳
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。

 

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