【片岡編集長のレポート】「ボールウォッチャー」は●●を取れない

スキルアップ 動画 指導法 片岡 秀一 練習法

前回はディフェンスリバウンドの分析方法の一つとして「ハードコンタクト、ソフトコンタクト、ボールウォッチ」を紹介しました。

ワールドカップでアメリカ代表に屈した男子U-17日本代表チームとしては、ディフェンスリバウンド獲得の為に取り組める項目を知る為の素晴らしい指標になった事と感じています。

サイズ、身体能力の差に諦めずに、突破口を見つけようと奮闘されたスタッフの方々の熱意に感服しています。

今回は、ハードコンタクトを選手に要求する前提で、よりディフェンスリバウンドの精度を高める為、場所に応じて優先順位を決める考え方があります。

男子U16-19チーム(※)でヘッドコーチを務めたトーステン・ロイブル氏の分析などと共にキーワードと共に紹介したいと思います。

※注
アメリカ代表と対戦をした際は別の方がHCを務めておりました。
その後のシーズン、専任コーチとしてトーステン・ロイブル氏がU16-U19代表チームを牽引されています

<ディフェンスリバウンド獲得において大切な事>

①絶対に獲得されてはいけない領域が存在する~DEFリバウンドでもノーミドルを意識する~

BOXスコア上は同じ「オフェンスリバウンド1」でも、獲得される場面、シチュエーションによって、その重みは異なります。我々が何よりも防ぎたいのは、リバウンド獲得後、直ぐにゴール下のノーマークシュートを決められてしまうシチュエーションです。

当たり前の事のようですが、この部分が明確に区分されておらず、DFリバウンドの為のボックスアウト(コンタクト)に臨む選手の優先順位がマチマチである事を指摘されています。

優先すべきは、<図1>リング周辺の中央部分。

そして、中央部分を守ろうとした結果、大きくボールが弾き、結果として、相手選手にオフェンスリバウンドを獲得したとしても、リスクが少ないのが、<図2>の領域です。

<図1>

リング付近、及び、中央エリアで獲得されたオフェンスリバウンドは、ダイレクトに得点シーンに繋がりやすいシチュエーションです。

相手チームに飛び込まれて手痛いオフェンスリバウンドを奪われたケースも多いのではないでしょうか?

アメリカ対日本戦でも多く見受けられましたが、相手選手がリバウンドを獲得した瞬間、リリングとリバウンド獲得選手との間にDFが存在しないケースは、ほぼ失点は確実。

『最悪』と言えるでしょう。

 

<図2>

中央部分をケアする際に、どうしても<図2>のエリアはボールを獲得しにくいエリアとなります。

それでも、<図1>のエリアを優先的に守ろうとした結果であれば、ボールとリングを結ぶラインにDFの選手が存在する計算になります。

相手選手の力量にも左右されますが、<図1>の場面で奪われたケースよりは失点の確立が低いはずです。

 

②フロントターンを活用。相手へコンタクトを!

 

<図1>部分のリバウンドを防ぐ方法論として、ディフェンスリバウンドの獲得が最も難しいであろう、HELPポジションからのボックスアウトのケースについて、ロイブルコーチは「フロントターン」を活用したコンタクトを推奨しています。

動画のように、まず、ミドルライン方向を正面で止め、相手がベースラインからリング方向へと向かう際には、もう一度フロントターンを活用してスペースを消す方法です。

これについては、一つの技術論であり、これ以外の方法、例えば、背中から相手を押さえつけ、スペースを確保する方法が間違えであるというわけではありません。

重要な事は、チームのルール、優先順位に応じて、そのツールが明確である事です。

 

<まとめ>

相手チームに許してしまうオフェンスリバウンドでも、致命傷になってしまうケースと、ボールの行方に左右され、ある種、アンラッキーな部分があります。

本稿著者としては「ボールウォッチ」をした結果「リング付近、及び中央部分に安易に飛び込まれたケース」が発生する事例については、まだまだ改善の余地があるし、自チームでは「悪いプレー」の筆頭として情報共有を心掛け、「ボールウォッチの撲滅」に向けて取り組んでおります。

持久系プロテイン

ビーレジェンドプロテイン「スポーツ&ウェルネス」の 詳細はこちら