【梅原トレーナーのからだづくり哲学】部活動の地域移行を客観的にみる(後編)

スキルアップ 梅原 淳

いま私は全国のバスケットボール部を回りながら、部活の地域移行の話をよく耳にします。

実際に自らが起ち上げようと動いている人と話すこともありますし、すでに外クラブとして活動している人も知っていますし、小学生から中学生のお子さんを持つ親御さんから色々とその立場からの思いを聴くこともあります。

現場が地域移行に頭を悩ませている理由のうち、圧倒的に多くを占めている面として、外クラブになると「掛かる費用が一気に増える」ことがあります。

これは地域移行の展開を重くしている最大の課題といって良いでしょう。担い手より場所より、お金が一番の懸念要素になっています。

なぜか。

部活動ではお金が掛からなかったからです。

もちろん、チームウエアを購入したり、合宿遠征費用だったり、個別の費用はそのチーム毎にあったでしょう。それは独自のことです。まるでお金の掛からない部活動もあれば、たくさん使う部活動もあります。

それが今後は、必ず入会費や月謝や受講料といったものが、携帯電話料金を毎月支払うのと同じように出費されていきます。

それが「外クラブ」です。

動きを重くしている現実的な厄介ごと

国がそう決め、実際に進み始めた以上は、子どもがスポーツレッスンを受けることは相応の費用を要すると、私たちは理解し納得もするべきです。

これは我田引水で申し上げているのではありません。

部活動は学校の中で行われていました。私たちが支払う学費に部活動に関わるものはありません。修学旅行もお金を払っていますし、教科書など授業で使う備品も購入します。内履きやジャージをタダで貰っている人はいないはずです。

部活動は対価を支払っていないのに、毎日何時間もおこなっています。授業のない土日にも活動しています。しかもレッスンを行い、管理監督を担ってくれる責任者までいるのです。もちろんそこの学校の先生たちです。

これらすべて無償です。

それがずっと続いてきた日本で、子どものスポーツに対価を出すことが要求される時代になります。

外クラブは「民間サービス」だからです。

入会金や月会費と、フィットネスジムのようにサービス料金が掛かります。入るクラスによって金額も変わるかもしれません、新幹線の座席ランクのように。

内容が充実すれば金額が高く、薄ければ安くなります。通常の民間サービスとまったく同じです。

私たちの頭が、それと同じ位置づけであることを早く理解しなくてはいけません。

それを延々、部活動の感覚から脱却しない議論であるから、地域移行を重たくまた難しくしていくのです。

バスケットボールは習い事になる

シンプルに、ご自分の住まい周辺を見渡してみましょう。すでにはじめから外クラブや民間の塾、スクールとして運営されているスポーツがありますね。

よく考えれば習い事として、習字や英会話やスイミングといったものに通っていた経験もあるのではないでしょうか。

そう、すでに以前から、私たちは民間サービスを活用しているのです。

事例前例はいくらでもある、ということです。

それを参考に新たなバスケットボールの運営経営を行えば、子どもらの活動の場は確保されるし、消費者もすでに利用経験があります。以前から日本の社会に馴染んでいるシステムなのです。

嫌な言い方をしますが、学校部活のうま味を手放したくない欲があるかぎり、地域移行の議論は発展しません。

教育や福祉で預かるものではなくなる以上、ベースは民間サービスによる外クラブ型になるしかありません。

3歳のスイミング代

いずれにしても、時間は待ってくれませんので少しずつ物事は進んで行きます。

先に動く人、後ろから動く人、乗り遅れる人、それぞれにアクションは異なるでしょうけども、私も含め小さなお子さんを育てている只中にあるご家庭は、部活動のない前提で習い事としてスポーツをおこなう生活へシフトしましょう。

外クラブもお金が集まらなければ運営経営が行えませんから、当然のように費用が掛かります。それを今の部活動に近い感覚でいると、大きく計算が狂って家計が困ることにもなりかねませんから要注意です。

そう言えばうちの息子もスイミングに入り、ひと月たった3時間(合計)の水遊びで月額5,900円です。3歳でもそのくらい支払います。風邪などで休んだって月額払いです。

バスケットボールはじきに、これらと同じスポーツの習い事になります。

新しい時代をぜひ先取りして、良いスポーツライフをつくりましょう。

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