ドリブルスキルはどこまで必要?②
前回、NBAのトッププレイヤーの影響によりドリブルスキルの体系化が大きく進み、ドリブルの種類やワークアウトが多様化、詳細化したこととドリブルスキルを好まない人たちがいることを解説しました。ドリブルスキルが好まれない理由としては試合での有効性との関連性が低いケースがある、という点がありました。今回はどのようなドリブルが試合で使うべきドリブルで、それを習得するためにはどのようなワークアウトが必要かを紹介します。
試合で有効なドリブルスキル
初めに試合で使いやすいドリブルスキルを整理します。
クロスオーバー
ボール運びやキープにおいて、方向を転換しなければディフェンスからは非常に守りやすいためクロスオーバーはどれも使いこなせる必要があります。レベルが上がるとディフェンスのプレッシャーが上がり、距離が縮まるためフロントチェンジをすることは難しくなります。そのようなシチュエーションではレッグスルーやビハインドチェンジが有効です。
パンチストップ
スピードやリズムに緩急をつけることはドリブルにおいて非常に重要なスキルで、特にスピードを0から100、もしくはその逆をできればディフェンスを振り切りやすくなります。パンチストップを使えば、スピードを完全に殺すことができ、そのままプルアップシュートやクロスオーバー、もしくは再スタートを切ることができます。
ポケットドリブル
ディフェンスからボールを守りつつドリブルを続ける、パスを出すなど次の動きに繋げやすいポケットドリブルはハンドラーには特に重要な技術です。オフハンドだけでは対応しきれないシーンでしっかりポケットでボールを持つことができればターンオーバーを減らしつつ、ピック&ロールなどを上手く使うことができます。
ドリブルには様々な種類がありますが、基本的にはどのドリブルも使われる理由があり、有効な技術です。つまり、不必要なドリブル技術というのはないといえます。しかし、それらを使いこなせるかどうかでそれらが無駄になるか、もしくは強力な武器になるかがわかれます。
取り組むべきドリブルワークアウト
養うべき能力はボールを扱う能力に加えて「正しいドリブルを選択する能力」です。
動きのあるドリブルワークアウト
例えば、その場でクロスオーバーやドリブルをつく練習は無駄ではありませんが初歩の練習です。それが上手くできるようになれば動きながらステップを組み合わせて練習をし、より実戦に近い動きの中でドリブルをつけるようにする必要があります。
不規則なドリブルワークアウト
動きの中で様々なドリブルをつけるようになれば、次は正しいタイミングで正しいドリブルをつける判断力と瞬発力を養いましょう。例えば、2人1組で片方がボールを持ち、もう片方の人がグーを出したらパンチストップ、指一本をあげればフロントチェンジ、指二本をあげればレッグスルー、指三本をあげればビハインドバック、指四本をあげればインサイドアウト、指五本をあげればロール、など自分の意思ではなく目の前の相手に反応してドリブルを選ぶ練習をしましょう。この際にフットワークを忘れずになるべく速くリアクションしてボールも足も素早く動かし続けましょう。オフハンドや目線も忘れることなく高いレベルで徹底することができれば試合で使えるドリブルを習得できます。
リズムを変えるドリブルワークアウト
ドリブルが上手くない選手にありがちですが、一定のリズムでドリブルをつき続けてしまう傾向があります。これではスティールも狙いやすく、ボールは取れずともプレッシャーを与えるのが簡単になります。こちらも最初は自分の意思でドリブルのタイミングを変え、それができるようになればチームメイトとペアになって自分の意思ではないタイミングでドリブルのリズムを変える練習をしましょう。
おわりに
様々なドリブルがつけることは間違いなく強力な武器です。しかし、それらを自主練でたくさんできるのと試合で正しく使えるのとでは大きくレベルの差があります。実際の試合でディフェンスに合わせて適宜もっとも正しいドリブルを選び続け、多彩なフットワークを踏み替えることができれば簡単には守れない選手になれるでしょう。ドリブルだけでなく、常に実戦を想定した練習に取り組みましょう。
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